研究課題/領域番号 |
14370806
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎・地域看護学
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研究機関 | 新潟県立看護大学 (2003-2004) 札幌医科大学 (2002) |
研究代表者 |
野地 有子 新潟県立看護大学, 看護学部, 教授 (40228325)
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研究分担者 |
丸山 知子 札幌医科大学, 保健医療学部, 学部長・教授 (80165951)
長谷川 真澄 神奈川県立保健福祉大学, 看護学部, 講師 (80315522)
飯吉 令枝 新潟県立看護大学, 看護学部, 講師 (40279849)
朝倉 京子 新潟県立看護大学, 看護学部, 教授 (00360016)
中島 紀恵子 新潟県立看護大学, 看護学部, 学長・教授 (90009613)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 更年期 / 女性保健 / DV体験 / 国際比較研究 / CBPR / まちの保健室 / WHOQOL / セルフケア |
研究概要 |
1.地域調査では、従来の公衆衛生的接近法では対象者へのアプローチに困難を極めたが、個別に対象集団にあたり、本研究の参加集団における関心は高く、回収率に反映した。 2.北海道および新潟県の中高年女性において、自覚的健康状態の良い者は約75%であったが、簡易更年期指数からみた何らかのサポートの必要な者は約52%であった。 3.セルフケアでは、「健康管理への関心」が高い一方で、「体調の調整」「支援の獲得」「健康管理の継続の方法」が低く、QOLでは「身体領域」が娃かったこ左から、身体直における具体的な方策のニーズが示唆された。 4.セルフケアの中のサポートの獲得は、QOLの全領域と関連がみられた。 5.DV体験は、すべての領域のQOLを下げることが明らかになった。 6.在米日本人女性の健康課題には、保険・医療制度や生活環境が影響していることがうかがえた。 7.米国人、在米日本人、日本人の3群比較を行ったところ、自覚的健康状態とQOL得点は3群間に有意差がみられ、米国人>在米日本人>日本人の順でQOL得点が商かった。一方、簡易更年期指数の得点は3群間で有意差がみられなかったが、10の症状の出現パタンには3群間に異なった特徴がみらだ。日本人と在米日本人が米国人に比較して有意に多くみられたのは、「腰や手足が冷えやすい」であった。8.中高年女性の更年期の対処および「発覚の脅威」などの認識には、文化や社会の影響が示唆された。9.上記の地域調査により明らかになった健康課題の特徴を踏まえて、看護プログラムとして上越まちの保健室を開設実施したところ、初年度に211件の利用がみられた。上越地域における新たな看護提供システムをCBPR(Community-Based Participatory research)で展開していくことの実施可能性と有効性が示された。 本研究結果から、更年期への関心の高い者は更年期の身体面への影響に注目しており、健康管理への関心の高さに比べて、体調の調整や支援の獲得といった具体的な行動レベルで戸惑っている姿が浮き彫りとなった。看護実践として、パートナーシップモデルを使った看護ケアを展開し、CBPRとして、いかに市民中心の看護プログラムヘと発展させるかが今後の課題である。
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