研究課題/領域番号 |
14370807
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
山下 美根子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (60301850)
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研究分担者 |
大塚 麻揚 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助手 (60336493)
高山 成子 福井医科大学, 医学部, 助教授 (30163322)
水谷 信子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 教授 (20167662)
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キーワード | 痴呆症高齢者 / 痴呆症老人 / 残存能力 / 残存能力測定 / 残存能力測定尺度 / 尺度開発 |
研究概要 |
痴呆症高齢者の残存能力測定尺度開発については、カナダの看護研究者が開発した尺度を和訳し、さらに本尺度の概念について理解するために原著論文(Enhancing the Abilities of Persons with Alzheimer's and Related Dementias-A Nursing Perspective 163ページ)の和訳(痴呆性高齢者の残存能力を高めるケア 山下美根子監訳 医学書院 2002年 174ページ)の出版にいたった。 次に和訳された尺度を、わが国の臨床現場で活用するうえで適切でないと思われた内容については削除および修正を数回おこなった。その修正版をもとに現場検証を積み重ねてきた。その結果痴呆性を査定する既存の他査定表にはない本尺度の特徴がみえてきた。その一例として、対象者の記憶や表現能力を査定する項目として原版には「この部屋にあるものの名前を4つ言ってください」とあるが、これまで現場検証の結果、査定をおこなった部屋がさまざまで、査定をおこなった部屋のなかには必ずしも高齢者の目にとまる物品がおいてなかったことから、この項目の補完として、「若いころは何をしていましたか」を追加・修正した。その結果、回答として痴呆の度合いにかかわらず、対象者個々の生活史がうかがわれ、それが現在の対象者の心情に反映されているということがわかり意義深い結果が得られた。これはケアプランの作成にも寄与できると考えられる。 次年度の計画としては、さらに対象者の数を増加するとともに、関東圏外においても研究活動を拡張することで標準化をめざし、本尺度の信頼性・妥当性についてさらに確立することができると考える。また本尺度と目下施設で利用されている他痴呆症査定尺度との相関関係も検討することでconcurrent validityについても明確になると思われる。
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