1.文献検討(14年度より引き続き): 侵襲的治療を受けた患者の退院指導は、主に臓器別に形態・機能の変化に基づき知識、技術の指導を中心に、パンフレットやチェックリスト使用した指導の効果、個別指導を重視した関わりから、効果的な結果が得られた事例報告、クリティカルパスに照らし合わせた退院指導の取り組みなどの報告がされている。また、クリティカルパス導入の効果については、入院日数および入院総費用の削減、業務の効率化、患者満足の向上への取り組みなどの報告がされている。 2.侵襲的治療を受けた退院患者への聞き取り調査: 都内K総合病院、癌専門病院で、実際に侵襲的治療を受け外来通院する患者の中で、研究の趣旨の理解と研究参加へのインフォームドコンセントが得られた人々への聞き取り調査を行っている(現在まで35例)。経過の中で語られた患者にとっての退院について示す。「安心して退院できた」と語る患者の安心とは、検査結果に問題が無いことや手術の成功、転移の危険性が無いこと、創の処置の完了など直接疾患に関する事だけではなく、しっかり歩けることを体力回復の目安としていた。また、入院期間を短いと感じ不安を訴えた者の中には、自宅で安静が保てないこと、買い物やごみ出しなど入院生活では経験しなかった出来事への対応に困った経験を語っていた。そして、これら体力の回復の訴えは、女性に多く聞かれたものであった。これらの聴取内容は、比較的入院期間にゆとりを持った病院の外来患者から聴取したものである。現在、クリティカルパスの導入を積極的に行っている施設での聴取を行っている。
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