侵襲的治療(手術療法)を受けた患者の個別退院炎プログラム作成にあたり、1)文献検討より、影響因子として、開胸・開腹術、経口摂取開始時期、退院時の創処置の必要性、経管栄養などのチューブ類の装着が、退院後の生活を困難にする要因であり、退院指導での重点項目であることが明らかとあった。 2)手術後の外来患者への聞き取り調査より、食道癌術後患者11名への聞き取り調査を行った。その結果、体力の低下、チューブ栄養の煩わしさ、嚥下困難、下痢症状などが退院後の生活への適応を阻んでいた。 3)合併症としての糖尿病を有する手術患者の体験調査より、「再発、転移への不安」を持つものもいた。退院後の生活では糖尿病との兼ね合いから思うように体重が増やせないもどかしさを感じ、傷の痛みによる活動の制限から、運動療法の必要性を知りつつ行えていないことが多い。 手術患者の個別退院支援プログラム作成は、患者の入院とともに始まり、食に関わる術式、ならびに合併症(特に糖尿病)の有無が、退院後の生活に大きな影響を及ぼしていた。 これらをもとに丸早い時期での個別支接プログラムを作成し、術前からの一貫した患者教育が、プログラムの効果を決定づけることが明らかとなった。
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