研究課題/領域番号 |
14370819
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 高知女子大学 |
研究代表者 |
鈴木 志津枝 高知女子大学, 看護学部, 教授 (00149709)
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研究分担者 |
藤田 佐和 高知女子大学, 教授 (80199322)
森下 利子 高知女子大学, 教授 (80174415)
森下 安子 高知女子大学, 助教授 (10326449)
大川 宣容 高知女子大学, 講師 (10244774)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 終末期がん患者 / 在宅ケア / 在宅移行 / 医療従事者の認識 |
研究概要 |
本研究の目的は、終末期がん患者と家族の在宅ケアを支える「在宅ターミナルケアに関するネットワークシステムモデル」を開発することである。 第一段階の研究において、一般病院でがん看護を5年以上実践している看護師15名に半構成的面接方によりデータを収集し、質的帰納的に分析した。結果より、終末期がん患者在宅ケア移行に向けての取り組みを阻む医療従事者側の要因として【在宅ターミナルケアに対する医療従事者の態度・姿勢】【在宅ターミナルケアへの移行を支える看護実践力の不足】【人間の生死について語り合うことのできない人間関係】【患者や家族の意向を確認しないままでの判断基準】【在宅ターミナルケアに関する医療従事者の知識・情報・資源の少なさ】【ターミナルケアを実践出来る看護師育成の不足】の6つが明らかになり、ネットワークシステムモデルを構築する上での基礎資料を得た。 第二段階では、終末期がん患者の在宅移行への移行に向けての取り組みを阻む家族側の要因として、【家で看ることの自信のなさ】【家で看ることへの不安】【介護する家族のマンパワー不足】【介護時間のやりくりの困難さ】【家族が行えるケア技術の限界】【入院が当然とされる価値観】【家族関係における密着と分離】の7つを明らかにし、ネットワークシステム構築への基礎資料を得た。 第三段階では、第一、第二段階で明らかにした結果をもとに、I.終末期がん患者の在宅移行に関する経験、II.終末期がん患者の在宅移行に関する考え方、III.終末期がん患者の在宅移行に関する課題で構成した独自の質問紙を作成し、326名の看護師の協力を得て、ネットワークを構築するうえでの課題と取り組みを明らかにした。 第一段階〜第三段階の結果より、地域の中で在宅緩和ケアや在宅ターミナルケアに関する考え方や実践活動の不十分さが浮き彫りになった。そこで、看護職者の継続教育に焦点を当てて、在宅ターミナルケア教育に関するネットワークシステムモデルを構築した。このモデルの活用においては、まず地域のがん拠点病院や緩和ケア病棟をもつ医療機関、訪問看護ステーション、地域包括支援センター等が、緩和ケアの質向上を目指して協働し、緩和ケアを中心に看護師や訪問看護師、保健師の教育を相互に支援しあうネットワークの構築、ネットワークを推進していく人材育成が重要である。
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