研究課題/領域番号 |
14370821
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 高知女子大学 |
研究代表者 |
藤田 佐和 高知女子大学, 看護学部, 教授 (80199322)
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研究分担者 |
鈴木 志津枝 高知女子大学, 看護学部, 教授 (00149709)
森下 利子 高知女子大学, 看護学部, 教授 (80174415)
大川 宣容 高知女子大学, 看護学部, 講師 (10244774)
水津 朋子 高知女子大学, 看護学部, 助手 (70405538)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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キーワード | がん体験者 / 折り合いをつける力 / 拡がり / 適応過程 / 主観的健康 |
研究概要 |
本研究の目的は、がん治療が終了した体験者の長期的適応状態およびそれらに関連する要因を明らかにし、長期的な適応を促進する看護援助方法を開発することである。 <方法> 文献検討に基づき、がん体験者の長期的適応状態の研究枠組みを作成後、外来通院しているがん体験者で、研究の主旨を理解し、研究への参加に同意が得られた者を対象に、折り合いをつける力に焦点を当て(1)長期的な適応状態と(2)これまでの体験内容について、質的調査、量的調査を行った。 <結果> 1.質的調査の結果 退院後のがん体験者の適応過程における拡がりとして【病気になった自己と和解する】【病前の生活の編みなおしをする】【自己の拡張を認識する】【病気体験の有意味な活用を要請する】の4つの局面が明らかになった。結果より体験者が拡がりを得ることの意味が考察された。 2.量的調査の結果 退院後のがん体験者の特徴、折り合いをつける力の特徴、ストレス状態、主観的健康(HR-QOL)、折り合いをつける力の関連要因(主観的健康、受けた治療による障害、がんの部位、宗教・信念、ストレス、教育背景)が明らかになった。 退院後のがん体験者は、受けた治療による障害が残存しストレス状態も持続していたが、折り合いをつける力を獲得・発揮していた。折り合いをつける力の特徴としては、積極的に状況を変更して共存するというよりも、現状を受け入れて、原因不明のがんという病気や不確かな状況に歩みより、馴染んでいくことで獲得されると考えられた。 <考察> 結果より、折り合いをつける力に着眼した看護援助の創造、折り合いをつける力の育成、外来における看護援助プログラムの視点での有用な看護援助方法が導かれた。
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