研究概要 |
19世紀を起点として20世紀に展開した現代の科学や技術は,科学や技術の本質に関わる創造性や先端性,総合性を保障するような学術の発達を生み出すものとなっていたのであろうか.本研究では産官学の各種試験研究機関に焦点を合わせ,かつ欧米や途上国におけるこの期の「変化」と照合し,しいてはわが国の科学研究制度の課題や問題点を抽出することを目的としている. 本年度は,主として産学官における各種試験研究機関の設置の経緯,目的,組織,予算,運営,研究活動,教育活動及びそれらの成果等に関する基礎的資料を収集しデータベースを作成した.また,産業分野への貢献,人材育成への貢献,国際的研究交流の実態,途上国への貢献等について,各種試験研究機関がそれぞれ特色をもった成果を上げつつあることを明らかにした. さらにグローバル化時代といわれて,各国が科学技術政策の戦略的展開を図ってはいるもののその成果は必ずしも大きいものとはいえない状況にあることも知れた.
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