研究課題/領域番号 |
14380003
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
中川 喜直 小樽商科大学, 商学部, 教授 (80201664)
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研究分担者 |
服部 正明 北海道東海大学, 国際文化学部, 教授 (70208544)
岡野 五郎 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (50117610)
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キーワード | 筋内脂肪 / 持久性運動 / 筋細胞内脂肪 / 筋細胞外脂肪 / 高齢者 / 有酸素運動 / 骨格筋 / 筋水分量 |
研究概要 |
【緒言】加齢に伴い体水分量が減少することはよく知られている。一般的に、持久鍛錬者は体水分量が高まることから、持久性トレーニングを積んでいる高齢ランナーでは加齢に伴う体水分量の減少が抑制されると想定される。高齢者にとって健康で瑞瑞しい身体を保つためには、体水分量を維持することが重要だろう。 一方、骨格筋内における水分量の変化についてはあまり知られていない。近年、プロトンMRSの発展によって非浸襲的に骨格筋における水分量が直接測定できるようになった。本研究では高齢ランナーにおける筋水分量について定量し、一般高齢者との値について比較検討した。【方法】被験者の高齢ランナーはマラソンクラブに所属し、トライアスロンやマラソンを愛好する女性7名で、週3回以上のトレーニングを積んでいる。対照群には、BMIが同程度の高齢女性を用いた。筋水分量の測定は1.5T MR装置を使用して、右足下腿の前脛骨筋(TA),ヒラメ筋(SOL)及び内側腓腹筋(MG)の筋腹部中央における1cm^3のセル内に含まれる水分量をプロトンMRS法によって測定した。得られたMRSデータは、標準ソフトを利用してスペクトル解析を施し、水分量を絶対値(mmol/kg wet wt)として示した。また、トレーニング効果の評価のために筋細胞内脂肪(IMCL)と細胞外脂肪量(EMCL)及び血中脂質・リポ蛋白プロフィールについても検討を加えた。【結果と考察】身体特性についてみると各群における高齢者のBMIは同程度であったが、インピーダンス法で測定した高齢ランナーの%FATは対照群の値より低く、体水分量(%)は高い値だった(p<0.01)。骨格筋の水分量についてみると、高齢ランナーにおけるMGおよびSOLのそれは、対照群の値に比較して有意に高い値を認めた。しかしながら、TAの筋水分量は高齢ランナーが高い値を示したが有意な差は認められなかった。筋内脂肪についてみると、高齢ランナーのIMCLとEMCLの値はMGおよびSOLの筋において対照群の値より有意に低い値を示したが(p<0.01)、TAでは有意な差は認められなかった。加齢に伴い筋内脂肪量は増加することが知られている。しかし、高齢ランナーでは脂肪量の増加が抑制されているようである。以上のことから、高齢ランナーは骨格筋内の水分量や体水分量が一般高齢者より高い値を示し、持久トレーニングが加齢に伴う筋水分量の減少を抑制する可能性が示唆された。
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