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2003 年度 実績報告書

長期運動が脳内出力機構と脊髄運動神経に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 14380004
研究機関筑波大学

研究代表者

西平 賀昭  筑波大学, 体育科学系, 教授 (20156095)

研究分担者 下田 政博  東京農工大学, 農学部, 助教授 (80302909)
船瀬 広三  長崎大学, 医学部, 教授 (40173512)
八田 有洋  筑波大学, 体育科学系, 講師 (20312837)
キーワード高強度運動 / 脳 / 血中乳酸 / 筋電図 / P300 / 筋疲労 / 情報処理
研究概要

本年度の研究目的は、高強度運動が脳の認知機能及び情報処理過程へ与える影響を、末梢の変化と共に多角的観点から検討することである。
方法と課題:被験者は、右利きの健康な成人男性20名で最近2年は習慣的に運動行っていない者であった。本実験は3試行(コントロール試行、テスト試行、運動負荷評価試行)より構成されている。運動課題としては、左手を肘掛に回内-回外の中位の状体でしっかりと固定し、歪み計が内臓された握力計を握るというグリップ把持運動を行った。把持浮動の構成は、最初MVCを測定し、十分に時間をとった後に40%MVCの力で6秒間把持動作を維持し、その後4秒間の休憩を取ることを繰り返し、40%MVCが2度続けて維持できなくなるまで行った。脳波は国際式10-20法に基づき、頭皮上の5部位より導出された。運動負荷時の筋電図は前腕の2部位から導出された。実感終了後、誘発電位研究用プログラムEPLYZERで分析し、事象関連電位のP300とN2電位を測定した。さらに血中乳酸の分析も行われ、血中乳酸濃度は、運動負荷評価試験の運動前後に指先から少量の血液を採取し測定された。
結果:(1)本研究における運動は、断続的な局所運動であり、被験者によって運動時間、運動回数は異なるが40%MVCが維持できなくなるまで継続する運動であった。よって被験者全員に相対的に同様の負荷が与えられたと推察された。
(2)運動負荷後に、握力の低下、血中の乳酸値の増加、筋電図の平均周波数の変化が見られたことから、局所的な高強度運動により末梢の筋は疲労状体であったことが推察された。
(3)運動負荷後のP300振幅は有意に低下した。また運動負荷後のP300潜時、N2潜時は有意に延長した。
以上のことから局所的な高強度運動は末梢の筋だけではなく中枢神経系の認知機能および情報処理過程にも影響を及ぼし、特に刺激処理過程の機能を低下させたことが考えられる。また選択反応過程に対してはより初期の段階に影響を与えたことが考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 秋山 幸代: "反応動作課題の反復に伴うContingent Negative Variationの変動"臨床神経生理学. 31・6. 489-498 (2003)

  • [文献書誌] Hatta A: "Somatosensory event-related potentials (ERPs) associated with stopping ongoing movement"Perceptual and Motor Skills. 97. 895-904 (2003)

  • [文献書誌] 黒岩 一雄: "局所的筋疲労に伴う体性感覚入力の変動"体力科学. 52・4. 443-452 (2003)

  • [文献書誌] Kida T: "Stimulus context affects P300 and reaction time during a somatosensory discrimination task"Adv.in exerc.and Sports physiol. 9. 105-110 (2003)

  • [文献書誌] 時任真一郎: "前期高齢者の運動課題の遂行時における事象関連電位P300と反応時間に関する研究"臨床神経生理学. 31・3. 318-326 (2003)

  • [文献書誌] Kida T: "Changes in the somatosensory N25O and P300 by the variation of reaction time"European Journal of Applied Physiology. 89. 326-330 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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