研究課題/領域番号 |
14380008
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松田 光生 筑波大学, 体育科学系, 教授 (20110702)
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研究分担者 |
前田 清司 筑波大学, 体育科学系, 講師 (30282346)
宮内 卓 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (60222329)
鯵坂 隆一 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (70151058)
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キーワード | 後期高齢者 / 中高齢者 / 動脈系伸展性 / 身体活動 / 運動トレーニング / 血管内皮機能 / 大動脈 |
研究概要 |
本研究では、後期高齢者を対象にして、中心動脈伸展性(動脈系コンプライアンス:SAC)、収縮期血圧、および身体活動(量、強度)の相互関連を検討することを目的とした。しかし、後期高齢者では動脈伸展性に影響を及ぼす薬剤の服用者が多く、単独では十分な検討に必要な対象数を得ることができなかった。したがって、これまでに得た中高齢者及び若齢者における成績を充実し、年代間の成績を比較検討した。 (1)動脈系伸展性と最大下運動における全身持久性および循環動態との関連に関する研究 若齢者のSACは中高齢者より有意に大きく、また、全身持久性体力および循環動態との関連は有意ではなかった。中高齢者では、SACは加齢ととともに低下し、また、SACと全身持久性体力および循環動態との間に有意な関連が認められ、SACは最大下運動における全身持久性体力の制限因子であることが示唆された。中高齢者では持久性トレーニングによりSAC及び上肢動脈伸展性が増大することが示されたが、70歳以上の高齢者では個人差が大きく有意の効果は認められなかった。 (2)中高齢者における動脈系伸展性に関する研究 横断的検討により、健常者および軽度の動脈硬化危険因子を有する中高齢者における日常の身体活動量の増大は、加齢に伴うSACの低下と収縮期血圧の上昇を改善する可能性が示唆された。また、中等強度(4Mets以上)の運動を1日あたり30分以上行う中高齢者では、30分未満の中高齢者に比べて、SACは有意に高値を示した。年齢で補正したSACと身体活動量には、有意な正の相関関係が認められたが、その関係は直線的ではなく、中高齢者のSACの増大には一定の限度が存在することが示唆された。 (3)身体活動による動脈系伸展性増大のメカニズムに関する研究 中高齢者における持久性トレーニング後に、血中エンドセリンが低下し、血中NOx(NO代謝産物)が増大する知見を得た。さらに、高齢ラットにおける運動トレーニングにより大動脈のNO産生は有意に増大し、高齢期から開始したトレーニングは加齢に伴うNO産生低下を改善することが示唆された。
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