研究概要 |
この研究は、(1)青少年のドーピングに関する知識,意識,行動の実態や関連要因について明らかにすること、(2)指導者におけるドーピングに関する知識,意識等の実態を把握することを通じて、(3)ドーピング防止に向けた青少年向け教育プログラムの開発を試みることを目的としている。 平成15年度は、前年度に作成したドーピングに対する意識調査項目(60項目)を体育系大学のトップレベル選手、255名に対する調査を実施した。その結果、現在は選手であるが将来の指導者となる可能性のある体育系大学生は、アンチ・ドーピング運動への関心が低く、ドーピング関連の情報提供も不十分であることが明らかにされた。そしてこの調査結果をふまえて、JOC五輪強化指定選手およびJADA加盟団体選手に対する意識調査(調査項目10項目)を2、800名余に行い、現在、調査結果の分析作業を行っている。さらに、次年の最終年度の8月には、東アジア(韓国、中国、台湾、日本)におけるアンチ・ドーピング教育、啓蒙活動についてのシンポジウム企画が具体的に進められている。 世界アンチ・ドーピング規程へのWADAとIFの締結期限が今年8月のアテネ開会式前日になり、ようやく国際レベルでのアンチ・ドーピング活動が開始されようとしているし、2年後の政府関係機関の締結も終われば、アンチ・ドーピング運動が国際レベルでの官民体の形で展開されることになり、スポーツ界からのドーピング撲滅への足がかりが整うことになるだろう。 なお、15年度研究成果として、平成15年3月にデンマーク・コペンハーゲンで開催された「世界ドーピング会議」における世界アンチ・ドーピング規程についての報告・内容分析を公表した。
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