研究概要 |
本年度は,本研究課題の研究の遂行,並びに,本研究課題による研究成果に関する科学研究費補助金研究成果報告書を作成した. 本研究課題の研究の遂行に関して,組織的観察法における教師の相互作用行動に対する理解を促すデジタルコンテンツを開発した.そして,昨年度までに開発した期間記録に関するデジタルコンテンツ及び教師の相互作用行動に関するデジタルコンテンツを,現職教員を対象にして実施し,それらのコンテンツの有効性を検討した.その結果,現職教員は,それらのデジタルコンテンツを通した研修を受けることによって,教職経験等の教員を取り巻く諸要因の影響を余り受けることなく,期間記録並びに教師の相互作用行動に関する分析概念を理解することが示唆された. 第二に,アメリカにおける教師教育改革と体育教師教育カリキュラム・アセスメント,並びに,ジョージア州立大学における体育教師教育カリキュラムを分析した.その結果,それらのカリキュラム・アセスメント等は,新任教師の能力基準に基づいて実施されていることが明らかにされた. 第三に,体育授業の研究方法論を検討した.本研究課題で開発されたデジタルコンテンツは,体育授業研究の成果から導かれたものであるが,それらは授業の文脈,あるいは教師の認知過程の理解を促すものではなかった.これらの視点は,より高い実践的指導力を獲得するために必要である.そのため,授業の文脈,あるいは教師の認知過程を分析する質的研究及び認知に関する研究方法論を検討した. 研究成果報告書では,平成14年度から遂行してきた本研究課題で得られた研究成果を,4章から報告した.第一に,体育教師教育に関する課題,第二に,アメリカにおける体育教師教育カリキュラム・アセスメント,第三に,体育教師教育用コンテンツの作成,評価とその展開,第四に,体育授業研究方法論の検討,である.
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