研究課題/領域番号 |
14380022
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研究機関 | 独立行政法人国立健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
熊江 隆 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 健康増進研究部, 室長 (40145363)
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研究分担者 |
荒川 はつ子 国立保健医療科学院, 研究情報センター, 主任研究官 (90222736)
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キーワード | 持久的運動 / 抗酸化能 / ラット / 肺胞マクロファージ / 活性酸素種 / 化学発光法 / サイトカイン / 肺胞洗浄 |
研究概要 |
本年度はヒトを対象とした研究の基礎として、実験小動物としてWistar系ラットを用い、肺胞マクロファージ(AM)の活性化によるサイトカインの産生増加が抗酸化能に及ぼす影響の理論的な裏付けを得る事を主たる目的とした。Wistar系ラットの成熟期として11週齢と17週齢を設定し、トレッドミルによる強制運動群、回転式運動量測定ケージで個別飼育した自発的運動群、自発的運動群と同じ床面積で個別飼育した自発的運動群の対照群、及び通常飼育の対照群を作成した。実験開始から6週間後と12週間後に既報の方法により気管支肺胞洗浄を行い、AMを採取した。コールターカウンターを用いてAM数を測定し、Dulbecco MEMで60万個/mLに調整した後にAM活性を測定した。AM活性として、本年度に主要設備備品として購入した超高感度化学発光法解析装置(アルファ-Basic47、トッケン)を用い、AMからの活性酸素種の産生を絶対比較が可能な化学発光法で測定する条件を確立し、ラットのプール血清でオプソニン化したザイモサンを刺激剤としてルシゲニン依存性化学発光を96穴マイクロプレートを用いて測定した。ラットAMの活性酸素種産生能の持久的運動による変動に関する成果はLuminescenceに掲載された。 また、抗酸化能の変動を肺胞洗浄液から推定する事を目的に、肺胞洗浄液中の抗酸化物質濃度等を測定して報告した。さらに、サイトカイン産生への持久的運動の影響を明らかにする為にAMを12時間培養し、AM培養上清中のIL-1β、IFNγ、及びTMFαをラットのモノクロナ-ル抗体を使ったELISA測定キット(Bio Source)で測定した。測定結果は現在統計処理中であり、学会報告の準備を行っている。 次年度に予定するヒトを対象とした研究の準備として大学駅伝選手を被験者とした練習量、栄養等の調査を行い、その成果は体力・栄養・免疫学会雑誌に掲載された。また、マラソン選手を被験者としたサイトカイン濃度の変動についても検討を行い、成果を報告した。
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