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2003 年度 実績報告書

持久的運動が抗酸化能に及ぼす影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14380022
研究機関独立行政法人国立健康・栄養研究所

研究代表者

熊江 隆  独立行政法人国立健康・栄養研究所, 健康増進研究部, 室長 (40145363)

研究分担者 荒川 はつ子  国立保健医療科学院, 研修企画部, 室長 (90222736)
キーワード持久的運動 / 抗酸化能 / 活性酸素種 / 好中球 / 化学発光法 / サイトカイン / マラソン / 血清
研究概要

本年度は持久的な運動の習慣を有する被験者として、都内某大学の陸上競技部に所属する長距離選手、市民ランナーでマラソンレースの参加者、及びジョギング愛好家を対象とした。研究目的と当該研究によって得られる個人的情報の保護と人権の尊重に充分に配慮する事を説明して協力をお願いし、同意を得てから研究を行った。
駅伝選手やジョギング愛好家等は日常的に運動を行っており、調査日前の運動影響がない安静時のデータは取り難い。そこで、本年度は持久的な運動の前後での変動を測定する事に重点を置いた。また、調査時に身体計測及び採血・採尿を行い、肉体疲労度等に関して自記入式アンケートも実施した。本研究の学術的な特色・独創的な点である血清の総抗酸化能を超高感度化学発光法解析装置によって測定し、さらに血清中の抗酸化物質濃度・酵素活性等の測定を行った。測定結果は現在統計処理中であり、学会報告の準備を行っている。
また、市民ランナーを対象としてマラソン前後での末梢血中好中球と血中及び尿中のサイトカインの動態について検討を行った。レース後に棹状核好中球の増多が見られ、好中球の活性化を示すミエロペルオキシダーゼ等の血中濃度も増加し、マラソン後には好中球数の増加のみでなく、活性化もおきていると思われた。さらに、インターロイキン6及び8、顆粒球コロニー刺激因子の血中及び尿中濃度も著明に増加しており、これらのサイトカインが好中球の動員と活性化を仲介していると考えられる。この研究成果はMed Sci Sports Exercに掲載された。
さらに、マラソンを完走した36名の男性を被験者としてマラソンレース前後での好中球の活性酸素種の産生、食作用、及びCD11bとCD16の発現を測定した。マラソンレースによって好中球機能は低下し、その一部はCD16の発現減少に伴うと推察された。好中球数の増加は、機能低下に対する補償的な反応とも考えられる。この研究成果はLuminescenceに掲載された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Katsuhiko Suzuki: "Impact of a competitive marathon race on systemic cytokine and neutrophil responses."Med Sci Sports Exerc. 35・2. 348-355 (2003)

  • [文献書誌] Masashi Matsuzaka: "Bowel habits among the Japanese population."J Phys Fit Nutr Immunol. 13・1. 9-16 (2003)

  • [文献書誌] Daisuke Chinda: "A competitive marathon race decreases neutrophil function in athletes."Luminescence. 18・6. 324-329 (2003)

  • [文献書誌] 熊江 隆: "心拍スペクトル解析を用いた昼夜サイクルの乱れが自由行動ラットの心臓自律神経系に及ぼす影響の検討"体力・栄養・免疫学雑誌. 13・2. 112-120 (2003)

  • [文献書誌] 熊江 隆: "持久的運動が抗酸化能に及ぼす影響に関する研究.第7報.強化合宿が長距離選手の血清の抗酸化能に及ぼす影響"体力科学. 52・6. 899-899 (2003)

  • [文献書誌] 荒川はつ子: "ラットの肺胞洗浄液の抗酸化バランスに及ぼす強制運動の開始時期の影響"日本公衆衛生雑誌. 50・10. 317-317 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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