研究分担者 |
佐藤 直由 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 教授 (00125569)
増田 聡 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30231591)
吉原 直樹 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40240345)
高橋 英博 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (80206838)
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研究概要 |
下記の5点について検討した. (1)都市のローカリテイに関する理論的考察の成果として,経済のグローバリゼーションが国民国家の枠組みを緩め,そのなかで都市がかつての「中心-周辺」の体系のなかに留まる存在から,自ら種々の境を越えた新たな空間関係を取り結ぶ状況が生まれつつあることを指摘した(吉原,2002).(2)都市の産業振興において重要性を高めつつあるビジネスコミュニテイの場所的差異に着目して,米沢および北上の工業支援システムの実態とその形成史を検討した.その成果として,「場所」の認識が地域資源の活用の方向性の導き手になると同時に,資本の出自よりも地域に根ざして広域なリンケージを形成する力を持った経営者層の存在が重要になることが明らかになった(高橋,2002).(3)4地方中枢都市の情報サービス産業の集積に差異をもたらした要因を明らかにするために,4都市の情報サービス産業の事業所を対象にしたアンケート調査を実施した(日野,2002;東北大学大学院地域計画研究室編,2002).また,「サッポロバレー」と呼ばれる札幌の情報サービス産業の成長に果たした札幌市の役割についても検討した.(4)札幌、広島、福岡の集客力の比較検討から,集客力にとって,都市がもつ多面的な場所の個性なり、場所への意図が深く関与することが推察された.(5)地方中枢都市の産業振興にとって,新規学卒者の定着の程度が大きく影響するという認識から,今年度は札幌市に限って新規大卒者の動向に関する資料を収集した.
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