研究分担者 |
笠井 直美 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (20255243)
千羽 喜代子 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (90074913)
益本 仁雄 大妻女子大学, 人間生活科学研究所, 教授 (80245349)
下田 敦子 大妻女子大学, 人間生活科学研究所, 助手 (60322434)
綾部 真雄 成蹊大学, 文学部, 助教授 (40307111)
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研究概要 |
申請者は、わが国及びタイにおいて薬物乱用の防止教育に関する研究、およびエイズに関する教育科学的研究を行ってきたが、近年東南アジア各地においてもこの問題が特質すべき重要な研究課題となっている点に注目して、この問題に取り組んでいる。この研究は申請者が20数年にわたって定点調査を続けているタイと日本のデータと知見を基礎とした上で、家庭・地域社会との関わりから、エイズ・薬物乱用および非行の予防をすることを目的とした行動疫学的研究である。研究課題は以下のようである。 ・エイズ孤児の家庭背景、就学の実状、孤児自身の健康状態、そして今後の教育のあり方と援助と方法を研究する。 ・薬物乱用少年の家庭背景、薬物乱用の実態とそれに伴う犯罪非行、少年自身の健康状態と防止教育のあり方を研究する。 ・少年の売買春・非行・犯罪・薬物乱用・エイズ等に対する知識、態度、行動の相互関係に関する疫学的研究する。 上記の目的・方法に添って、今年度は下記の研究、成果を示した。 1.タイ国内にて既に収集されたエイズ知識・態度・行動に関するデータを解析した。成果は、◆KASAI, N., OHSAWA, S., SHIMODA, A., and AYABE, M. (2003) Survey of attitudes toward AIDS and Health Behavior of Junior High and Senior High School Students of Northern Thailand (1) -Their View of Supernatural Medical Care-.Japanese Journal of School Health,44 (Supplement):68-70. ◆大澤清二 (2003) 増加する10代のSID (性感染症)と性行動. 学校保健フォーラム,7-8:65-69. ◆大澤清二 (2003) 学校保健教育のエイズ予防教育に対する効果について. 学校保健フォーラム,7-10:66-70. ◆大澤清二 (2003) アジア・タイのエイズの流行と統計. 統計情報,52-6:41-46. で報告した。 2.タイ国内にて予備的に収集されたエイズ孤児40名のデータと上記のデータを比較して、エイズが家族等に与える影響を研究した。成果を ◆大澤清二 (2003) エイズ予防の難しさと文化(来世を信じるタイの子供たち). 統計情報,52-3:70-74. ◆大澤清二 (2003) 疾病予防の難しさと文化(来世を信じるタイの子供たちに科学教育は可能か). 統計情報,52-4:44-48. で報告した。 3.国内(埼玉県・沖縄県)で約12,000名のデータをタイに於けるのと同様の調査で収集し、項目反応理論等を用いてテストの標準化を目指すとともに、群間の比較を行った。成果を◆OHSAWA, S., SHIMODA, A., and SINGTAIPOB,W.(2003) AIDS knowledge attitude and behavior survey in Chiangmai 2003.Southeast Asian Health Statistics Society, Tokyo,1-73. ◆大澤清二,下田敦子,大久保智哉,和気則江,高倉実,漢那憲吉(2003) 沖縄県石垣市における児童・生徒のエイズ知識・態度・行動に関する研究 平成14年〜16年度文部科学省指定石垣市エイズ教育(性教育)推進地域事業「エイズ知識・態度・行動」 実態調査報告書(平成15年度),1-69. ◆大澤清二,下田敦子,大久保智哉 (2003) 埼玉県加須市における児童・生徒のエイズ知識・態度・行動に関する研究 平成14年〜16年度文部科学省指定加須市エイズ教育推進地域事業「エイズ知識・態度・行動」 実態調査報告書 (平成14年度),1-105. で報告した。
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