研究課題/領域番号 |
14380039
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
大澤 清二 大妻女子大学, 人間生活科学研究所, 教授 (50114046)
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研究分担者 |
益本 仁雄 大妻女子大学, 人間生活科学研究所, 教授 (80245349)
笠井 直美 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (20255243)
綾部 真雄 成蹊大学, 文学部, 助教授 (40307111)
下田 敦子 大妻女子大学, 人間生活科学研究所, 研究員 (60322434)
高倉 実 琉球大学, 医学部, 教授 (70163186)
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キーワード | エイズ孤児 / 薬物乱用 / 少年非行 / 家庭 / 行動疫学 |
研究概要 |
世界各地において青少年の薬物乱用やエイズなどの保健行動に関連する問題がクローズアップされている。この研究班ではこれらの保健行動と家庭環境の相互作用を中心とした疫学研究ティームを組織して調査地において継続的にフィールド調査を実施している。調査地は定点調査を続けている北タイ(チェンマイ県)の山岳地域と日本(埼玉、沖縄)である。17年度は日本人とタイ人それぞれについての解析結果を別記した論文としてまとめた。以下、北タイの調査結果から得られた重要な所見である。●児童生徒2031名のうち、26.5%が身近にエイズ患者がおり、親が5.1%、兄弟姉妹が1.5%、親戚11%、知り合い16.3%、その他32.1%である。うち13.8%は現在も治療中で、10.2%は治療をせず放置され、既に30.6%は死亡した。「家族がエイズに罹患した場合」大部分の児童生徒は接し方に距離を置くとしており、依然として態度形成教育の必要性がある。●ごく初歩的なエイズ知識はほぼ獲得されているが、感染に関する少し高度な質問は50%以下の正解率となる。免疫などの疾病のシステムに関する知識についても40〜50%が誤答し、知識教育はまだその重要性を失っていない。また一部ではあるが前世との因果や善行が疾病と結び付けられている。献血についても誤った知識がもたれている。●悪霊祓い、呪文治療、などと疾病を結び付ける傾向は未だに存在している。●多くの児童生徒は将来エイズには罹らないと楽観し、死後の生き返りを60%以上が肯定的に受け取っており、伝統的な価値体系が保健態度・行動に影響している。●小学生から高校生に至る年齢階梯に従って次第に価値観が合理的になり伝統的な価値体系は影響力を失っていく。●エイズに関する情報は保健の先生、親、親戚、村の薬委員会の人、近所の人の順であって、保健所の人,兄弟、などは児童生徒余り影響力は弱い。
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