研究課題/領域番号 |
14380039
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
家政学一般(含衣・住環境)
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
大澤 清二 大妻女子大学, 人間生活科学研究所, 教授 (50114046)
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研究分担者 |
益本 仁雄 大妻女子大学, 人間生活科学研究所, 教授 (80245349)
笠井 直美 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (20255243)
綾部 真雄 成蹊大学, 文学部, 助教授 (40307111)
下田 淳子 大妻女子大学, 人間生活科学研究所, 研究員 (60322434)
高倉 実 琉球大学, 医学部, 教授 (70163186)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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キーワード | エイズ孤児 / 薬物乱用 / 少年非行 / 家庭 / 行動疫学 |
研究概要 |
研究代表者らは今まで薬物乱用の防止教育やエイズに関する教育科学的研究を行ってきたが、近年アジア各地においてもこの問題が特質すべき重要な研究課題となっている点に注目して、この問題に取り組んだ. 調査は研究者らが20数年にわたって定点調査を続けているタイと日本のデータと知見を基礎として、学校と家庭・地域社会との関わりから、エイズ・薬物乱用等の予防を目的とした行動疫学的研究である. 調査地はタイ国はチェンマイ県、チェンライ県の小・中・高校生保護者約1000名と日本の埼玉県と沖縄県の小・中学生とその保護者約1万名を対象としてエイズや薬物に関する知識・態度・行動に関する調査を行った.その結果以下のような諸点について成果をまとめた. 1、タイにおけるエイズ爆発とその背景 2、タイにおけるコンドーム教育の現状と学校教育 3、伝統的な価値意識・態度が及ぼすエイズ予防・行動への影響 4、薬物乱用とエイズの相互関係およびそれに関係した健康教育システム 5、エイズ知識の因子構造 6、日本人のエイズ知識構造(埼玉と沖縄の比較) これらの研究でタイの成人の場合においてはエイズや薬物に関連した行動は深くその地域の慣習や伝統的な思惟方法に依拠しており、短期的な保健所などの教育によっては変更することは困難であった.成人のコンドーム使用率は2000年までの統計では0%台であったが、学校教育におけるエイズ教育によって10%台にまで上昇させることが可能となった.しかし、HIVの感染が低下傾向になり、学校エイズ教育が下火になった途端再び上記使用率は0%台となった.薬物教育の場合も同様に学校教育が有効である.これらの社会病理は少年非行の問題とも密接な相互関係を持っている.これらの問題の基礎には知識・態度・思惟方法があることを多変量解析や項目反応理論によって明らかにした.
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