研究課題/領域番号 |
14380043
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
畑江 敬子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (50156337)
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研究分担者 |
香西 みどり お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (10262354)
戸田 貞子 高崎健康福祉大学, 短期大学部・生活学科, 教授 (90341792)
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キーワード | 高齢者 / においの閾値 / 酢酸 / トリメチルアミン / メチルメルカプタン / 官能検査 |
研究概要 |
われわれは保存した食物の安全性を確かめたり、食べられるか否かの判断をする際にしばしばにおいや味を手がかりにする。においや味がこれまでの経験に照らし合わせ,変敗あるいは腐敗したにおいを呈することがわかると、それを食べることをしない。しかし、もし味やにおいに対する感度が以前に比べ鈍感たなっているとしたら、以前なら時が劣化している、あるいは、劣化、変敗、腐敗臭である、と判断した食物に対する判断力ができなくなることになる。高齢者は一般に味やにおいに対する感覚が鈍くなっているといわれるが、実際に.どの程度であるかについては、くわしくは調べられていない。昨年度は味に対する感度を知るため、閾値の測定を行った。 今年度はにおいの閾値の測定を行った。対象とした高齢者には昨年と同様に新潟県大和町の住民で、65才以上の高齢者137名のボランティアの協力を得た。同時に、比較のために20才前後の若年者105名の協力を得た。測定したにおい物質は、魚介類の腐敗のシグナルであるトリメチルアミン、デンプンの腐敗のシグナルである酢酸、野菜類の腐敗のシグナルとなるメチルメルカプタンを選んだ。トリメチルアミンは11段階に、酢酸は10段階、メチルメルカプタンは13段階に濃度の異なる水溶液を調整し、水に比べてにおいがある、または何のにおいかわかる最小濃度をそれぞれ検知閾値、認知閾値とした。その綾果、高齢者の検知閾値、認知閾値いずれも若年者の10倍程度であった。しかも、高齢者の70%は自分のにおいの感度がわるくなっていることを自覚していなかった。
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