研究課題/領域番号 |
14380051
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人国立博物館東京国立博物館 |
研究代表者 |
澤田 むつ代 東京国立博物館, 企画部・保存修復課, 保存技術室長 (40215918)
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研究分担者 |
和田 浩 東京国立博物館, 企画部・保存修復課, 環境保存室員 (60332136)
土屋 裕子 東京国立博物館, 企画部・保存修復課, 保存技術室員 (60321551)
神庭 信幸 東京国立博物館, 企画部・保存修復課, 保存修復課長 (50169801)
原田 一敏 東京国立博物館, 学芸部・工芸課, 法隆寺宝物室長 (20141989)
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キーワード | 上代裂 / 法隆寺裂 / 正倉院裂 / 天然染料 / 媒染剤 / 染色 / 保存科学 / 保存修復 |
研究概要 |
(1)分析機器の仕様決定と導入 天然染料の非破壊分析を前提条件として、蛍光分光計と紫外可視近赤外分光計を文化財分析用の仕様に改良したものを導入した。両機器ともに分析チャンバー内での微小資料測定と、光ファイバーユニットを接続しての大型資料測定を可能とした。 (2)天然染料を用いた染色技法の調査 国内には現在も天然染料を使用して染色を行う伝統的技法が多数残っている。平成14年度はその中でも、滋賀県の天然藍染技法と、沖縄県久米島の天然植物染料を用いた染色技法について現地調査を行い、染材原料植物の採取、絹糸の紡糸から、生地の織り、染色等の工程を詳細に調査し、記録した。さらに、両調査地において染色された織物や糸を多数提供していただき、貴重な資料を入手することができた。また、奈良文化財研究所にて開催された古代染色技法についての研究発表会に参加し、特に染料分析に関する最新情報を得ることができた。 (3)古代文献資料に基づいた標準資料の作成 滋賀県の天然藍染技法で染色を続けている工房に協力を依頼し、古代文献資料に記載された染材に基づいて標準となる色見本を作成した。これにより、染料や媒染剤に合成された材料を一切用いない、上代裂の染料分析の参照試料となる標準資料を得ることができた。 (4)標準資料分析データの蓄積 上代裂実資料の測定を開始する前に標準資料を分析し、実資料の染料同定に利用することを目的に、導入された分析機器や顕微鏡等により、標準資料のデータの蓄積を継続して行った。
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