研究概要 |
1)推測型WBT学習コンテンツの開発 推測型WBT(Web-Based Training)とは,多様な経験を持つ社会人を対象としたWBTのための学習コンテンツの設計法である。実際に現場で収集された問題解決事例(ケース)をもとに,学習者であり,かつ多様な経験を持つ社会人(例えば現職教師)に対し,自分自身の経験を最大限反映させながら生きた形での理論的知識を学ぶため,学習冒頭に問題解決事例の「結果」を提示し,解決者のおかれた状況や解の有効性を推測する課題を提示し,その後に理論的知識を教授するものである。研究初年度である平成14年度は,理科・数学に限定せず,次のような一般的な教材開発能力「推測型WBT学習コンテンツ」の開発と試行を行った。(1)教材の定義(小学校3年生を対象にコンピュータの操作技能の指導のための教材を提示し,開発目的と開発プロセスを推測する),(2)学習環境(学校図書館での学習活動を活性化させるための種々の環境設計のポイントを推測する),(3)学習環境としてのコミュニティー(小学校5年生を対象にコンピュータの操作技能を指導している動画を提示し,教師の発問の意図や有効性を推測する)。 2)WBTシステムの開発と改善 推測型WBT学習コンテンツを実行する環境として,利用者認証,学習者間のコミュニケーション支援,接続時間やレポート提出状況などのWBT学習進行のための基本的機能を備えた遠隔学習実行管理システムを設計・開発した。 3)現職教員大学院生を対象とした推測型WBT学習コンテンツの試行 On-campusの現職教員大学院生を対象に推測型WBT学習コンテンツによる講義を1ヶ月継続したところ,学校で働きながら受講しても有効との結果を得た。しかし,推測型WBT学習コンテンツのメディアとしては,動画は受講者側の負担が大きく,写真1枚程度の課題が適していることが示唆された。
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