研究概要 |
本研究では,近年さらに重視されるメディア・リテラシー教育を,小学校段階で行うための現実的なカリキュラムおよび授業設計法を明らかにすることが目的である。具体的には,科研費交付の2年間で以下の4点に取り組んだ。 1)メディア・リテラシーの概念整理を行い,小学校段階におけるメディア・リテラシー教育の本質的な価値と課題を明確にするために,レビュー調査を実施する。 2)メディア・リテラシー教育をすでに実施している先行的な実践について調査する。実践者たちの営みを多角的に分析し,そのメディア・リテラシー教育実践における背景,問題意識,具体的な学習展開,基礎的な指導技術を抽出・整理し,それをモデル化する。 3)ほぼ確立しつつある日本の現在の情報教育カリキュラムにおけるメディア・リテラシー教育の価値,位置づけについて検討し,教育理念や教育目標の観点から整理・関連・統合を図り,情報教育の流れとの整合性を保った小学校段階のメディア・リテラシー教育カリキュラムを設計する。 4)メディア・リテラシー教育のための学習活動やその学習指導法,教材開発原理などを含めた授業設計モデルを開発し,学校現場に導入可能な形にする。また,その効果について実践的に検証する。 平成14年度に,このうち1)は完了している。平成15年度は,2)〜4)までを研究の中心課題として取り組んだ。その結果,出版物としても,学術論文としても公表することができた。
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