研究課題/領域番号 |
14380082
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
浅田 匡 早稲田大学, 人間科学部, 助教授 (00184143)
|
研究分担者 |
秋田 喜代美 東京大学, 教育学研究科, 助教授 (00242107)
淵上 克義 岡山大学, 教育学研究科, 助教授 (20202294)
生田 孝至 新潟大学, 教育人間科学部, 教授 (20018823)
野嶋 栄一郎 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (20000086)
酒井 朗 お茶の水女子大学, 文教学部, 助教授 (90211929)
|
キーワード | メンタリング / アクションリサーチ / 現職研修 / 教育評価 / 目標分析 / 授業アセスメント / 実践研究 / ポートフォリオ |
研究概要 |
本年度は、主として以下の3つの研究を行なった。それらは、アクションリサーとメンタリングとを結合した視点からの研究である。 (1)実践者との対話をベースに、研究者と実践者との共同という研究形態での研究者の役割もしくは経験教師の役割の分析を行なった。ここでは、完全習得学習の導入という授業の改善を進める際に、完全習得学習の鍵である目標分析という基本的な考え方の説明と目標を分析するプロセスにおける経験教師の問いかけおよび助言の機能を分析した。必ずしも、実践者が目標分析に関するノウハウを獲得したという明確な証拠を得ることはできなかったが、少なくとも、実践者の授業および子どもをとらえる認知枠組みの変化と教育観の問い直しは生じたことは自己報告と変化した目標分析表、指導案によってとらえることができた。また、目標分析を進める上での実践者自身による課題から問題の同定のプロセスにおいてメンター(経験教師)の役割とともに、授業ビデオによるリフレクションは有用であることが示唆された。その成果の一部は、3月末には出版予定である。 (2)アクションリサーチおよびメンタリングにおいては、授業実践のアセスメントが重要であるため、そのアセスメント方法としてのポートフォリオの研究をはじめ、評価法の研究を行なった。特に、コンピュータの活用によるデジタル化の有用性を実践研究として検証した。 (3)メンタリングおよびアクションリサーチは、実践研究として位置づけられる。しかしながら、必ずしも実践現場で十分に認識されているわけではない。そのため、次年度の研究の基盤として、アクションリサーチの考え方に基づく、授業実践から改善というプロセスを試行的に行なった。教育臨床学という観点からの対話型アクションリサーチや授業カンファランスを活用したアクションリサーチ研究を実施した。そこでは、実践者と研究者との関係が対等性を持つこと、それが授業改善の新たな知識を産み出すことなどが示唆された。
|