研究課題/領域番号 |
14380084
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
柳川 博文 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (70296309)
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研究分担者 |
中村 直人 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (20201676)
鈴木 英男 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (50333018)
三井田 惇郎 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (10083859)
福島 学 福岡工業大学, 情報工学部, 助教授 (40238473)
東山 三樹夫 工学院大学, 工学部, 教授 (90255604)
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キーワード | 音声明瞭度 / 指向性マイクロホン / STI / 合同授業 / 到達時間差 |
研究概要 |
遠隔合同授業における学童の音声収音を想定した場合のマイクロホンの配置、マイクロホンの指向性、音源位置と音声明瞭度の関係を実験的に調査した。千葉工業大学ゼミ室で小型スピーカを音源にして、各方式の音声収音マイクロホンへのインパルス応答の計測を行った。求めたインパルス応答を用い、音声明瞭度指標STIの算出と無意味3連音節音声を畳み込んでの音声明瞭度試験を行った。その結果、マイクロホンの指向性が鋭いほど、またスピーカの指向性の主軸とマイクロホンの指向性の主軸が対向しているほど音声明瞭度、STI共に良いことを数量的に明らかにした。小学校と病院内の学級を実際に結んで試行されている遠隔合同授業システムでは,複数マイクロホンにより収音した学童の音声をモノラルにミクシングして伝送している。その際生じる明瞭度の低下要因について大学会議室で実験的に検討したところ、各マイクロホンへの音声の直接音の到達時間差を補正すると数%STIが改善されるが、それ以上は反射音の影響を対策する必要があることがわかった。以上の成果を平成14年日本音響学会秋季大会で報告した。さらに大学内の教室、パソコン実習室などで明瞭度に関する計測を行い、到達時間差補正の効果の度合いを確認した。また天井に分散配置されたスピーカによる再生では、スピーカ直下でも明瞭度が60%以下となる場合があることを明らかにした。本成果を平成14年度電子情報通信学会教育工学研究会にて報告した。先述の、マイクロボンの配置および指向性の実験についても解析し、モノラルにミクシングしたときの明瞭度およびSTIの変化を到達時間差補正の有無で調べたところ、STIでは変化ない場合でも音声明瞭度試験では数%の向上があることが確認され、結果を平成15年日本音響学会春季大会で報告した。以上、収音音声の明瞭度について複数マイクロホン使用時の問題と改善の一方法を求めることができた。特に、音声のように指向性のある音源収音ではマイクロホン位置に留意する必要があることも判明した。
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