研究分担者 |
三井田 惇郎 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (10083859)
鈴木 英男 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (50333018)
山崎 芳男 早稲田大学, 国際情報研究科, 教授 (10257199)
東山 三樹夫 早稲田大学, 国際情報通信研究センター, 客員教授 (90255604)
福島 学 福岡工業大学, 情報工学部, 助教授 (40238473)
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研究概要 |
得られた成果を大別して以下に述べる. (1)システム概要:(i)収音系:空間分割収音には,アレイマイクロホンの指向性をおよそ30°以下とする。最適設置位置は集中配置では教壇後ろ壁面,分散配置では4隅の壁面である.(ii)拡声系:全面同相駆動型平面振動板スピーカをおよそA2サイズかそれ以上の面積にして壁面に設置する。(iii)一体化:平面スピーカの辺縁部にアレイマイクロホンを配置すれば一体化する際の音響帰還が少なく,信号処理による指向性制御もできる。(iv)伝送チャンネル:3ないし4チャンネルの独立な伝送が必要である.(v)信号処理:収音した音声の残響を信号処理で低減し,明瞭度を向上させることができる.(vi)話者画像:話者画像が提示されると音声明瞭度が向上する.(2)システム評価基準:これまでの音声明瞭度の他に新たに「聞き取りやすさ」を指標として導入したところ,システム設計・評価に有効であることを示した。複数話者同時発声という評価条件を提案し,これまでの単独話者による評価では得られない性能の差を示した.また,教室らしさに関連する「広さ」感と対応する音響特性とその阻害要因を明らかにした.(3)仮想現実技術の応用:仮想現実技術導入のための検討として,[1]音響帰還低減に有効な,音響伝達特性変化を推定する手法を見いだした。[2]仮想音空間生成に用いる両耳インパルス応答の関数近似方法を導いた.[3]「癒し」感を仮想音空間で表現する方法を明らかにした。(4)特許:画像ディスプレイ一体型パネルスピーカを用い,受聴者の横方向まで音像定位する方式を考案し特許出願した。本発明はNECのパーソナルコンピュータに「オーセンサラウンド」の名称で採用されている。 以上より,一体感のある遠隔合同授業のための音響システムの姿を心理的裏付けのある評価を加えて提示できた。
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