研究概要 |
和楽器の扱いに関する教育現場の実態を把握することを目的に,中学校の音楽教師を対象とした「日本音楽の指導に関するアンケート調査」を実施した。その結果,箏や和太鼓を中心とした和楽器を授業に導入している中学校が多いこと,限られた授業時数で効率的に扱うことができるような指導法に関する情報が不足していることが明らかになった。そこで平成15年度は箏と和太鼓を中心とした和楽器の基礎奏法や指導事例に関する情報を収集し,限られた授業時数で効率的に扱うことができるような指導法を開発した。これらをデジタル情報化し,専用Webサイトでネットワークコンテンツとして公開できるようにした。 さらに和楽器に関する一般的な情報として,「和楽器の種類」「和楽器の歴史」,「和楽器の基礎奏法」,「学校音楽教育における和楽器指導の意義」,「和楽器を扱った授業実践事例」に関する情報を専用サーバーに集積した。平成15年12月に音楽教師を対象とした和楽器講習会(箏・和太鼓)を開催し,その模様をデジタル動画コンテンツとして専用サーバーに集積した。 高等教育機関では文部科学省の方針によりeラーニングの推進が加速しているが,これらのコンテンツを教員養成大学音楽科においても利用し,音楽科の学生(信州大学教育学部芸術教育専攻音楽教育分野)を対象としてその教育的効果を検証した。その結果,特に和楽器の基礎奏法に関する動画コンテンツが有効に利用されていることが明らかになった。今後,サーバーの容量をさらに拡大し,ブロードバンド時代に対応することができる動画コンテンツの充実を図ることが課題である。
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