研究分担者 |
野澤 健 関西国際大学, 人間学部, 助教授 (30198593)
FRASER Simon 呉大学, 社会情報学部, 助教授 (60289288)
齋藤 栄二 関西大学, 大学院・外国語教育学研究科, 教授 (60162187)
吉村 宰 大学入試センター, 研究開発部, 助教授 (40314661)
岡部 純子 愛知県立大学, 文学部, 助教授 (20295570)
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研究概要 |
本研究は,大学入試における各技能測定に適した測定方法を開発するための基礎的資料を提供すると共に,入試問題作成におけるガイドラインを策定することを目指した研究である。3ヶ年計画の2年目となる本年度は,昨年度構築したフレームワークを用いたデータベース構築と,統計情報に基づいた大学入試センター試験英語問題の質的分析の二つを柱として研究活動を行った。 データベース構築の面では,109の国公私立大学の入試問題と,2001年から2003年までの大学入試センター試験英語問題を基礎資料として,総計2,944個のテスト項目を分析した。その結果、大学英語入試問題の大部分が読解技能と文法知識の測定に充てられており,その課題形式も,多くの可能性があるにも関わらず,少数の課題形式のみが用いられていることが判明した。この結果は,2003年11月に開催されたTESL Canada学会において発表した。 大学入試センター試験英語問題の質的分析にあたっては,大学入試センター研究開発部によって得られた第6問の項目毎の統計情報の経年変化に基づき,際だった特徴を示す項目について設問のタイプを類型化することによって,その特徴の原因特定を試みた。その結果,少ない情報に基づいて推論を働かせる必要がある項目や,事実情報を問う項目であっても選択肢の表現に言い換えが含まれる項目において,特に難易度が上昇することが判明した。この結果は,2003年10月に開催された日本テスト学会において報告されている。 これらの結果は,大学入試問題における項目作成時のみならず,日常の授業実践における発問の内容に対して,重要な示唆を含むものであると考えられる。
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