研究分担者 |
遠山 弘徳 静岡大学, 人文学部, 助教授 (20202195)
クロードジュゴン ジャン 静岡大学, 情報学部, 外国人教師
松王 政浩 静岡大学, 情報学部, 助教授 (60333499)
河原 俊昭 金沢星稜大学, 経済学部, 教授 (20204753)
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研究概要 |
平成14年度は,3ヵ年に亘る研究計画の初年度であることから研究テーマに関係する専門的資料の探索,実態調査,フィールドスタディに時間を集中的に配して研究を執り行った。実態調査としては,ネット上に氾濫する電子文章の内,相互作用上の変容を分析する上で有意味であると思われるリアルタイムチャットにフォーカスし,分析者である淺間・河原も実際にチャットに加わることでより正確な資料を得るよう配慮した。収集した電子文章サンプルは膨大なものとなったので、分析対象の絞込みを行いながら「ポライトネス」(politeness)の観点から機能分類を実施した。 フィールドスタディとしては,平成14年10月3日から10月10日までの間,淺間・松王が後に我が国との比較分析研究を執り行う意図から欧州連合(ベルギー)およびヘルシンキ大学のヴァーチャルユニバーシティー部門(フィンランド)を訪問し,資料収集に従事しながらあわせて専門家からの助言提供を積極的に受け入れた。とりわけ,フィンランドでの調査研究の結果,我が国のネットコミュニケーション環境での実際と比してみると次の2点において大きく相違することが判明し,平成15年度に着手する実験分析研究への大いなる参考資料となった。 (1)携帯電話を教育的(個の成長に資する)ツールとして社会が受け入れている傾向にある。 (2)テキストメッセージの使用頻度が高まりつつあるフィンランドでは,日本の若者達がsmiley marksを多用・援用しながらコミュニケーションの歪みを埋めようとしているのに対して,フィンランドの若者達はより感情度の高いテキストメッセージを交わし合っている。 上記の更なる検証により,我が国の電子文章様式に巣くう人格変容の誘発因子を特定していきたい。
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