研究概要 |
本研究の目的は,我が国と世界各国の学校における薬物乱用防止教育プログラムの構成内容方法を総合的に比較分析して検証し,学校において薬物乱用防止教育をどのように位置づけるかを明らかにするとともに,国際比較が可能な科学的評価システム(モニタリングシステム)を導入して学校における薬物乱用防止教育の有効性を明らかにし,科学的根拠に基づく薬物乱用防止プログラム(Evidence-based Drug Abuse Prevention Program)を構築することである. 初年度である本年は我が国の青少年の喫煙・飲酒・薬物乱用の実態を把握して国際比較を行うための謂査手法に関する基礎調査と内外の予防教育プログラムの比較分析を中心に研究し,内外の以下の成果を得た. 1.我が国及ぴ世界の青少年の喫煙・飲酒・薬物乱用に関する疫学調査研究に関して調査・レビューし,我が国では国立精神神経センター国立精神保健研究所の和田らによる全国中学生調査,外国では米国The University of MinnesotaのPerryらのグループのThe Project Northland及びThe University of Michigan, Institute of Social ResearchのJohnstonらによるThe Monitoring the Future Study,ヨーロッパでは欧州のThe European School Survey Project on Alcohol and Other Drugsが国際比較に耐えうるStudy Designを持つことを明らかにした. 2.上記のレビューをもとに,質問項目,調査対象者のプライバシーの保護などを詳細に比較分析し,質問紙原案作成した.次年度,質間紙を英訳し,海外共同研究者と意見交換して国際比較に耐えうる内容とする. 3.海外の共同研究者も含めた研究班員相互のコンピュータネットワークシステムを構築した. 4.収集した世界各国の喫煙・飲酒を含む薬物乱用防止教育プログラムを整理して,その理論,戦略,評価法を分析し,これまでに蓄積したデータベースに新規のものを追加した.
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