研究概要 |
本研究の目的は、我が国と世界各国の学校における薬物乱用防止教育プログラムの構成、内容、方法を総合的に比較分析して検証し、学校において薬物乱用防止教育をどのように位置づけるかを明らかにするとともに、国際比較が可能な科学的評価システム(モニタリングシステム)を導入して、学校における薬物乱用防止教育の有効性を明らかにし、科学的根拠に基づく薬物乱用防止プログラム(Evidence-based Drug Abuse Prevention Program)を構築することである。 第3年度である本年は、我が国の高校生を対象とした喫煙・飲酒・薬物乱用の実態とその要因に関する全国調査を実施した。 1.対象高校の抽出:抽出は無作為層別1段階集落抽出法により、全国の高等学校(6201校)から102校を抽出した。各学校には全学年・全クラスの生徒の調査を依頼した。総対象生徒数は約95000名である。 2.調査票:調査用紙は無記名、喫煙,飲酒,薬物乱用(シンナー,大麻,覚せい剤,エクスタシー)の経験の有無,それに対する意識・態度,薬物の入手のしやすさに関する項目,背景要因として生活習慣,家族・友人関係などに関する項目,計102項目である。これらの項目は国際比較を行うため,米国Michigan大学社会学研究所のThe Monitoring the Future StudyおよびEUのEuropean Monitoring Centre for Drugs and Drug Addiction(EMCDDA)の国際調査の調査内容に対応している。 3.調査票の回収:調査用紙は教師によって生徒に配布され,記載の終わった調査用紙は,クラス毎の回収用封筒に回収した。回収校率は72%。現在データ入力・集計を行っている。
|