研究課題/領域番号 |
14380107
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
磯崎 哲夫 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (90243534)
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研究分担者 |
岸本 実 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (80249705)
磯崎 尚子 富山大学, 教育学部, 助教授 (70263655)
山口 武志 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (60239895)
間瀬 茂夫 島根大学, 教育学部, 助教授 (90274274)
平野 俊英 島根大学, 教育学部, 助教授 (70325033)
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キーワード | 反省的実践家 / 知識基礎 / メンター / メンタリング / 生涯にわたる専門的成長 / 教育実習 |
研究概要 |
本研究は、教員養成教育を生涯にわたる教師の専門的成長の導入段階という視点で行った。 本年度は、反省的実践家の教師の育成に不可欠であると考えられる、専門的力量形成のひとつの場である教育実習を中心に、理論的研究と実証的研究を実施した。理論的研究においては、主として、イギリスにおける教員養成教育段階におけるメンターの役割とメンタリングシステムの内実を明らかにした。また、実証的研究に関しては、わが国の教育実習における観察実習(事前指導)が教材作成のメタ認知的知識に及ぼす効果、本実習におけるメンタリングの可能性、および教育実習生の教職観と教育実習観(この調査のみ継続調査)について実態調査を実施した。 その結果、以下のことが明らかとなった。 1)理論的には、メンターは反省的実践家の素質を有していること、教育実習生の発達段階によりメンターの役割や指導内容が変容すること。実証的には、わが国の教育実習においては、指導教員による教育実習生への指導内容が具体的なものから抽象的なものへと変容する傾向が一部見られたこと、但し、それは必ずしも理論的な発達段階とは一致するものではない。 2)授業観察を主体とした教育実習(授業観察や解説、討議等をすべて含む)によってメタ認知的知識が授業者の視点から構造化されるということ。 3)教育実習前・後の調査や継続調査から、教育実習は教えるということがどういうことなのかを実際に経験して知るためにある、という考え方がいずれの調査においても、教育実習生は肯定的であること。 以上のことは、教員養成教育における教育実習のより質的拡充の必要性を示唆するものである。 この他にも、本年度の研究成果として、教師知識に関する理論的研究から教員養成教育における教科教育の再考が求められること、などを指摘した。
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