研究課題/領域番号 |
14380112
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
長谷川 栄 創価大学, 教育学部, 教授 (00018178)
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研究分担者 |
真貝 健一 埼玉大学, 教育学部, 教授 (20143240)
小笠原 喜康 日本大学, 文理学部, 教授 (20194417)
平山 満義 東京農工大学, 工学部, 教授 (20110637)
下田 好行 国立教育政策研究所, 初等中等教育研究部, 総括研究官 (70196559)
大河原 清 岩手大学, 教育学部, 教授 (40168878)
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キーワード | 総合学習 / 探究する子ども / 学力 / 評価モデル / 思考力 / 学習 |
研究概要 |
研究課題のもとに、今年度は研究の発表と討論を6回、また学校の総合学習の参観と話し合いを1回実施した。その研究内容は次の通りである。 第1は、総合学習の実践校(小学校-82校、中学校-45校、高校-14校)の事例報告を対象にして、総合学習の評価の実態を分析した。その結果、子どもの自己評価が多いことなどの特質を明らかにし、評価システムとそのモデルの開発が重要な課題であることを確認した。 第2は、総合学習の理想とする「探究する子ども」像を明らかにした。「探究する子ども」は、課題に挑戦して解決できる、学習活動を自己調整できる、そして社会的能力を発揮できる子どもである。この子ども像に基づいて、総合学習の求める学力の能力構造のモデルを作成した。探究に必要な知識と理解、調べて発表する方法と技能、探究に挑戦する意欲と態度を立てて、これらの中心に思考力を置いて構造化を図った。 第3は、総合学習の評価モデルの構築に取り組んだ。これはマクロとミクロの2類型である。一方のマクロのモデルは、目指す学力の能力構造に基づく評価モデルである。これは理論的に検討して作成し、次年度に実証して、その有効性と課題を追求する予定である。他方のミクロのモデルは、総合学習の指導過程における動的な評価を解明するものである。子どもの内面の評価に直結する指導の働きについて、その背後に働いている教師の子ども観や教育的信条の関連性を究明する予定である。 第4は、総合学習の展開を実証的に分析して、教師の評価観を自覚する手法の開発である。総合学習の長期的な単元展開のなかで子どもの認識と子どもの学習の深まりを捉え、教師の指導の振り返り、評価のあり方の反省を促進するものである。この手法を開発して、次年度に実証してその有効性を吟味する予定である。
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