研究課題/領域番号 |
14380120
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
長谷川 恒雄 慶應義塾大学, 国際センター, 教授 (10051567)
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研究分担者 |
新内 康子 志學館大学, 人間関係学部, 助教授 (70258680)
関 正昭 東海大学, 留学生教育センター, 教授 (20138663)
柳沢 好昭 国立国語研究所, 日本語教育部門, 第2領域長・主任研究官 (80249911)
平高 史也 慶應義塾大学, 総合政策学部, 教授 (60156677)
吉岡 英幸 早稲田大学, 日本語研究教育センター, 教授 (00092461)
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キーワード | 日本語教育 / 日本語教育史 / 第2次大戦期 / 興亜院 |
研究概要 |
第2次大戦期の中国(旧満州を除く)の日本語教育は研究上未開拓の地域であった。しかし、興亜院文化部に所属し、中国の日本語教育を担当していた故大志万準治氏が在任当時の資料を大量に保管していたことが判明した。本研究は大志万資料の整理と、興亜院の日本語教育施策の解明を目的としている。 本年度の研究は、以下の点を中心に活動を行った。 (1)大志万資料の整理・分析 a)国立国語研究所に仮保管中の大志万資料のデータベース化の継続と、国研への資料寄贈手続き準備 (2)遠隔地間の共同研究体制の確立 a)FMV-MG75Gをコンピュータの標準機種に設定し、研究分担者に配布 b)大志万資料のCDROM化により、資料を各人が個別に使用可能にすると同時に、標準機種の下で共同利用なデータを作成する方向付けをした (3)興亜院の対中国日本語教育施策についての研究発表 a)「興亜院の日本語教育施策 -派遣要員の事前研修をめぐって-」(日本語と日本語教育32号) b)「第2次大戦期興亜院の対中国日本語教育施策」(2004年度日本語教育学会春季大会予稿集) 本年度の研究で得られた知見は、以下のようであった。 (1)中国の日本語教育は、興亜院が活動を始める以前に、軍特務部宣撫班が行っていた (2)興亜院は1938年末「対支中央機関」として設立され、対中国文化工作の一部として日本語教育を管轄し、大志万はその責任者の地位にあった (3)興亜院の日本語教育要員は1939年から中国に派遣されており、大きく「教員派遣」と「宗教家教師」から成り立っていた (4)日本語教育要員としての「宗教家教師」は、一般には知られていない存在であった。この存在の認知により研究の深化が期待できる (5)大志万は、「宗教教師」の事前研修において中心的な役割を果たしており、(4)との関連において大志万資料の価値の高さが証明されよう (6)派遣要員の派遣前研修における「日本語教授法」は主として松宮弥平が担当したが、その授業時間数は十分なものではなかった
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