研究概要 |
制約充足問題の一例として、グラフ彩色問題について考察した。色数を3として、彩色可能性の可否を決定するのに膨大な計算時間を要するようなグラフを生成する方法を提案した。色彩可能性の決定問題は,通常,木探索に基づく彩色アルゴリズムを用いて判断するが,従来、決定困難な問題は、いわゆる相転移現象が発生する制約密度の付近においてランダムにグラフを生成することで行っていた。本研究では、今年度、3色で彩色できないクリティカル・グラフを、従来の4頂点完全グラフに加えて,さらに6種類発見し、それに基づいて構成的に生成する方法を開発した。これは従来の試行錯誤的かつランダム生成によるアプローチと異なり、確実に決定困難な問題を系統的に生成する方法である。本年度は、この方法の有効性を,BrelazおよびSmallkというアルゴリズムを用いた計算機シミュレーションにより,実験的に確認した。
|