研究課題/領域番号 |
14380136
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 宏 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (20212102)
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研究分担者 |
佐藤 三久 筑波大学, 電子・情報工学系, 教授 (60333481)
南谷 崇 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (80143684)
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キーワード | 計算機アークテクチャ / メモリシステム / マイクロプロセッサ / コンパイル技術 / 低消費電力 / キャッシュメモリ |
研究概要 |
本研究では「アーキテクチャとコンパイラ間の真に密な協調による設計最適化」によりメモリ階層間のデータ転送を最適化し、必要な時に必要なだけ効率よくチップ外メモリアクセスを発生させるようにすることで、半導体集積回路技術の進展を享受できる新しい高性能プロセッサを実現することを目指す。今年度は、メモリ階層自体の再構成とメモリ階層間データ転送をソフトウェアから制御するアーキテクチャの提示とメモリ階層間データ転送を最適化しチップ外メモリアクセスを最小限に抑止するコンパイル手法の提示を行った。前者では、再構成可能なソフトウェア可制御メモリアーキテクチャとして、従来のプロセッサではハードウェア制御下にある名前変換用レジスタを動的にソフトウェアによる制御を可能とし、さらにハードウェアの制御下にあるチップ内のキャッシュメモリをアドレス指定可能なメモリ空間としても動的に解放するアーキテクチャを提案した。後者としては、与えられたアーキテクチャに対し、消費電力の主要部を占め性能低下の大きな原因となるチップ間データ転送を最小限に抑えるような、メモリ階層の再構成、メモリ階層間のデータ転送最適化を行うコンパイルアルゴリズムを提案し、その一部をワークステーション上に実装した。さらに、提案する方式を評価するために、ソフトウェア可制御メモリとキャッシュの容量と、各メモリ階層のアクセス速度・スループットを入力とし、達成可能な性能を出力するシミュレータを、ワークステーション上に実装した。来年度以降は、アーキテクチャの詳細設計、コンパイルアルゴリズムの実装、消費電力を出力できるシミュレータの構築、を実施する予定である。
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