研究概要 |
本年度は,ミドルウェア構築のための基礎技術として,主に以下の点について研究を実施した. 1.Webアプリケーションの振舞いモデルの構築 動的なコンテンツを含むWebアプリケーションの振舞いをWebオートマトンとして定式化した.このモデル化によってWebコンテナ上で,Webアプリケーションを構成するためのミドルウェアの位置づけと外部からの観測に必要な基礎モデルが得られた. 2.ソフトウェアリポジトリに対する汎用操作 XMLドキュメントによってソフトウェアリポジトリを構成し,汎用的な細粒度リポジトリを実装した.ここでは,様々な目的のソフトウェアをXMLドキュメント化するためのタグの設計について研究を行った.さらに,言語間での相違を吸収するためのドキュメント技法について研究を行った. 3.並行ソフトウェアのテスト技法とモデル検査技術 リアクティブプログラムは本質的に並行ソフトウェアであるので,Java並行プログラムの振舞いに関するモデル検査技法,および,契約デザインに基づく実行時解析について研究を行った.モデル検査については,バイトコードをまとめてメモリモデルを解析するための現実的な技法を開発し,メモリへのアクセスからみたミドルウェアの構成について検討した.契約デザインについては,従来からのモジュールごとの契約デザインを並行プログラムに拡張し,実行時に発生する問題を効率よく解析できるミドルウェアの構成の基礎的な手法について検討を行った. 来年度は,以上のような様々な結果を統合して,Webアプリケーション,組み込みシステムにおけるミドルウェアのXMLドキュメントによる構成手法およびモデル検査を用いた検証手法などについて研究を進める計画てである.
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