研究分担者 |
小川 彰 岩手医科大学, 脳神経外科, 教授 (10204067)
松田 浩一 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 講師 (70325926)
亀田 昌志 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 助教授 (60243325)
小山田 耕二 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 教授 (00305294)
井上 敬 岩手医科大学, 脳神経外科, 助手 (70326651)
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研究概要 |
脳は他の器官に比べて,変形しやすく,現状では,高精度の脳外科手術シミュレーションシステムは,開発されていない.我々は脳を剛体ではなく,柔軟な弾性体として扱うことで,世界初の実用的な脳外科手術シミュレーションシステムを目指している.本年度、開発した機能には,1)3次元医療画像から形状データの自動抽出機能の統合化 2)3次元医療画像および抽出された形状データのリアルタイムな高精細表示 3)抽出された形状データの精度の高いリアルな変形操作 がある.1)の機能は,ノートパソコンで同様の機能を実現し,(株)デカルトと共同で,製品化を目指しており,平成16年4月にSerius(Volume Extractor Ver.2.0)の販売を開始した.2)に関しては,HWテクスチャマッピングを用いて、ボリュームレンダリングをリアルタイムで表示する機能を開発した.3)は,連結バネと垂直バネを組み合わせた新しい弾性体モデルを開発し,正確な物理指数(ポアソン比とヤング率)を推測し,フォースフィードバック装置と連動させた.開発した手術シミュレーションシステムのプロトタイプは,岩手医科大学の先生に使用してもらい,そのシステム評価を行った.研究対象となる脳画像は,岩手県ハイテクリサーチセンター(アイソトープセンター)が所有する超高磁場(3テスラ)MRI装置と機能的MRI装置から取得し,医療全般に関して,岩手医科大学の研究メンバーより,助言を得た.機能1に関しては,半自動で大脳領域や腫瘍領域をセグメンテーションすることが可能になった.機能2に関しては,ビデオメモリーが256MBの場合,256の3乗ボクセルでリアルタイム・ボリューム・レンダリングが可能になっている.機能3に関しては,4面体数が4000程度の場合,リアルタイムで変形およびフォースフィードバック装置との連携が可能である.本研究で得られた成果は,(株)デカルトと共同開発している3次元画像処理ソフトウェア(Serius)の開発に利用され、県内企業にも貢献している(参照URL : http://www.dicult.com/pascal/pascal.html).
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