研究課題/領域番号 |
14380159
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
筧 一彦 中京大学, 情報科学部, 教授 (90262930)
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研究分担者 |
島田 正治 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20262462)
河原 英紀 和歌山大学, システム工学部, 教授 (40294300)
竹内 勇剛 静岡大学, 情報学部, 助教授 (00333500)
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キーワード | 対話コミュニケーション / 対話の共感性 / 感情音声知覚 / カテゴリー知覚 / 音源知覚 / 音場制御 / 移動音源 / 音声モーフィング |
研究概要 |
以下の項目について検討を行った. (1)対話の共感性: i)サイバースペースを利用したメディアコミュニケーションにおける対話の共感性を検討するために、音声対話における物理的・時間的特性を反映した文字ベースチャットシステムを開発した。このシステムを用いた実験を行い、人はチャットによる発言を合目的な行為としてだけではなく、発話する行為を通した身体的インタラクションとして行っていることを示した。ii)人-コンピュータ間の相互作用においてコンピュータによる謝罪音声の韻律を実験的に操作し、謝罪を意図した韻律の付与が、コンピュータの失敗に対する人のネガティブな評価を抑制することを明らかとした。 (2)感情音声の高品質処理と知覚特性: 前年度に新たに提案した高品質音声モーフィング法を用いて、感情音声の知覚がカテゴリー的ではないことを明らかとしたが、この結果は表情における感情知覚はカテゴリー的であるという結果と異なる。この相違が、何に起因するかについての検討を加えた。 (3)音源知覚・音環境制御: i)音像測定法の検討を進め、音像定位の測定制度を改善する測定法として音像スイング法を提案し、その有効性を確認した。ii)上記の研究を通じて明らかとなってきた人間-機械のヒューマンインターフェースにとって望ましい音環境の実現を図るため音場制御の研究を進めてきた。今年度は、移動音源が存在する場合の波面合成法による音場再現・制御法を検討した。音源の位置情報に基づいて伝達関数を滑らかに切り替えるアルゴリズムを提案し、その効果を主観評価実験により確かめた結果、実用的な条件のもとでは十分な性能が得られることを確認した。 本年度は、本科学研究費の最終年度にあたることから、2005年1月に中京大学において成果報告会を開催した。
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