研究概要 |
本年度は研究計画に沿って以下の3点の研究項目を実施した。 1 組織の人的資源管理フレームワークの設計 前年度の設計と試作の成果を踏まえて、組織の人的階層構造と各構成員が持つスキル・知識・能力を体系化する組織知オントロジーと,組織として理想とする知の継承・創造フローを表現するフレームワークを構成した。 2 組織知の内容モデルの構築 前年度構築した組織知の内容を表現するメタオントロジーを洗練した。特に、個別の領域に独立な知の汎用オントロジーを開発した。タスク,ドメイン,スキル,知識,能力を最上位概念とし,知の派生プロセスの構成概念をオントロジー化し,それに基づいて知のインデックス(メタデータモデル)を作成した。 3 組織知メモリの設計・開発[フェーズ2] 前年度において組織知オントロジーと知のインデックスモデルに基づいて具体的な組織をモデル化する作業の支援するツールを開発したが、これに仮想的な企業データを適用してツールの利便性を検討しながら改良した(池田)。ここで作成されたモデルを組織知メモリに格納するために,フェーズ1で開発したプロトタイプを発展させ、組織知マネジメントシステムをクライアントとする組織知メモリサーバの設計・開発を行った。またフェーズ2で開発したサーバの運用実験に備えて,構成員の知のプロファイル(構成員モデル)を集約して組織知の動向を把握する(例えば,「構成員の関心が高い知」,「継承が危ぶまれる知」を検出する)ための推論機能をルールベースシステムとして実装した。 本年度の研究成果により,個別の領域に独立な知の汎用オントロジーと,それに基づく組織知メモリの推論機能をルールベースシステムとして実装した。なお,この成果は国際会議・国内研究会などで報告している.
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