研究課題/領域番号 |
14380165
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
知能情報学
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
河原 英紀 和歌山大学, システム工学部, 教授 (40294300)
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研究分担者 |
片寄 晴弘 関西学院大学, 理工学部, 教授 (70294303)
西浦 敬信 立命館大学, 情報理工学部, 助教授 (70343275)
坂野 秀樹 和歌山大学, システム工学部, 助手 (20335003)
西村 竜一 和歌山大学, システム工学部, 助手 (00379611)
高橋 徹 和歌山大学, システム工学部, 研究員
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 音声分析 / 音声合成 / 聴覚的モーフィング / 基本周波数 / 放射特性 / パラ言語情報 / 合成歌唱 / 音声の動特性 |
研究概要 |
本研究の目的は、スキャットやヴォカリーズのように歌詞のない歌唱音声を対象とすることにより、音声の非言語的側面に起因する歌唱の魅力を明らかにするとともに、その成果に基づいて制作した合成歌唱作品を国際的なコンテストで入賞させることにあった。また、その過程において、音声の非言語的側面の研究のための、新しいツールや研究手法を構築することも併せて狙っていた。これらの目標は、国際会議NIME'04に併設されたコンピュータ音楽システムの聞き比べコンテストにおいて、本研究計画の中核として開発されたSTRAIGHTに基づく合成歌唱が、参加した合成歌唱中での一位と評価されたこと、高品質の音声モーフィング技術を発明したこと、さらに歌唱の魅力の一つであるビブラートが音声モーフィングに与える問題点を解明し対策を明らかにしたこと、それらを用いて提案した組織的ダウングレードに基づく研究戦略を実際に遂行して問題点を明らかにしたことなどを考慮すると、高いレベルで達成することができたと言える。これらの成果を国内外の論文/国際会議/研究会/大会等で報告するとともに、開発したプログラムを研究コミュニティーに対して提供することにより、一つの研究動向を生み出した。しかし、これらの成果を併せても、歌詞を伴った実際の歌唱の魅力を工学的に再現し制御することのできる技術レベルには遠く及ばないことも明らかである。組織的ダウングレード戦略の前提である「十分に密に分布した実例」を、歌唱音声について用意することは物理的/生理的制約により現実的には不可能であることも明らかとなった。この先、実際の歌唱の魅力に迫る研究を進めるためには、少数の事例から汎化可能な変換関数を構成するための方法論の確立が必須である。
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