研究分担者 |
有田 大作 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (70304756)
日下部 茂 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (70234416)
谷口 秀夫 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (70253507)
鶴田 直之 福岡大学, 工学部, 助教授 (60227478)
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研究概要 |
ユーザが「任意の視点」でリアルタイムに情報を獲得できるようにするためには,対象世界に関する詳細な観測が不可欠であり,実世界に分散された多種多数のセンサーによって実世界をできるだけ精密に観測し,獲得された情報をユーザの視点に基づいてリアルタイムに加工,提供することが必要不可欠である.本研究は,上述の問題を解決すべく,分散計算機システム(多数の計算機が高速なネットワークで接続された環境)での,実時間多メディア処理システムの構成法について研究を行う.特に,近年はギガビットネットウークといった超高速なネットワークが容易に入手できるようになってきており,コストパフォーマンスの高い分散計算機システムを構成できるようになってきている.そのような点を考えると,本研究ではソフトウェアの構成法に重点を置くこととし,以下の点を明らかにすることを目的とする. 今年度は,品質と実時間性のトレードオフの関係に柔軟に対応できる実時間ビジョンシステムを構築するための基本的な枠組みである信頼度駆動メモリに関する研究を行った.信頼度駆動の基本的なアイデアは,予測や推定により得られた仮想的なデータを積極的に利用することで,計算や通信そのものを出来るだけ省略するということである.さらに,予測や推定により得られたデータの信頼度を考慮し,その信頼度が大きいほど品質の向上に貢献する重要なデータであると考える.ここでは,要求する信頼度と許容する最大遅延時間という制約条件を与えてデータをアクセスするメモリ機構(信頼度駆動メモリ)を提案した.そして,ビジョンシステムは信頼度駆動メモリを利用することで,品質と実時間性のトレードオフの関係に柔軟に対処できるようになることを示した.
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