研究概要 |
本研究で提案するUniversal Abduction Studioとは、設計者の創造的な思考を支援するために、目的指向の知識操作を可能にする環境である。ここで知識操作とは、様々な領域知識を新しい設計目的の元に関係性を発見し、再構成する操作である。本研究では、設計問題で見られるような実世界の問題を解決するような創造的アブダクションのモデル化を行う。研究の方針として以下の4項目を基本として研究を行う。 1.既存のアブダクションの手法の整理 2.様々な領域知識を融合するアブダクション手法の開発 3.提案したアブダクション手法を計算機上で実現する環境であるUniversal Abduction Studioの作製 4.設計問題への適用による提案手法の検証と応用可能性の検討 本年度はとくに3について研究を行った。 まず,どのような設計知識が利用されているかを調べるため,設計に関する本から知識抽出を試みた.この抽出された知識を分析することで,設計知識は多様な解釈が可能である必要性,オントロジーの必要性などがわかった. 次に設計知識をどのように計算机上で表現するかについて議論を行い,Semantic Webにおける方法論を参考に,独自の知識表現を提案した.設計知識を構成する要素として,述語オントロジー,対象オントロジー,属性オントロジーを用意し,設計知識そのものはRDFのグラフ構造として表現する方式を提案した.この提案に基づいて,設計知識のエディタ,この知識を用いた類似推論のシステムを構築した.
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