研究分担者 |
工藤 峰一 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60205101)
中田 典規 城西国際大学, 経営情報学部, 教授 (10201667)
水田 正弘 北海道大学, 情報基盤センター, 教授 (70174026)
谷口 文威 北海道情報大学, 経営情報学部, 助教授
桜井 裕仁 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (00333625)
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研究概要 |
本研究課題の最終目的は画像データそのものから直接、索引付けを行う方法の開発、それに基づく画像の内容検索システムの実現である。本研究では、論理情報レベルと画像レベルを結びつける中間媒体として、研究代表者が以前G.レスコーニ教授と共同研究した「様相論理の意味的場」という理論を利用する。意味的場は推論の視覚的理解を助けるツールとして利用できる.本研究は研究申請書にしたがって,次の2ステップで構成した: (1)画像の中間媒体による索引付けと画像の内容検索, (2)画像内容の言語による自動索引付けの追究 そのために本研究では,粒状理論を独自に展開した.粒状性は近年,ラフ集合の研究分野で特に強調される概念であり,今後,粒状性の調整が情報処理における重要なファクタとなる重要な概念である.なお,ラフ集合は様相論理の集合版である.本研究では,まず,粒状性の調整に関する理論構成に重点をおき,情報処理における一般的原理にまで昇華する一歩手前まで洗練させた.様相論理の決定問題を解く基本的手法である「ろ過法」がそもそも粒状化(ズームアウト)と詳細化(ズームイン)の考え方を内包していることに気づいたのはそもそもの発端であり,粒状理論と名づけた理論に発展させることができた.意味的場はn次元空間上の関数を基礎に,疎化(グローバル化)と密化(ローカル化)の演算を適用して,情報処理を視覚的に表現するための技法である.本研究で展開した粒状理論はこめ疎化と密化をラフ集合の概念を援用しながら拡大した理論であり,疎化と密化はそれぞれ,ズームアウト,ズームインという演算に洗練された.画像は2次元平面上の意味的場とみなせるので,粒状理論を適用できる.その結果,画像の内容検索を実現し,自動索引付けの基礎を構成できた.本研究で展開した索引付けが意味的場を介して発想推論(アブダクション)と関係が深いのは大変興味深い結果である.
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