研究概要 |
昨年度の検討に引き続き,X^ΥMT_EXの機能の拡充をはかった.PostScriptやPDF出力が可能なようにし(内山,藤田,日本コンピュータ化学会2003秋季年会で発表),インターネット上で公開すること前提にマニュアルなどの整備をおこなっている.X^ΥM記法の整備およびX^ΥMT_EXでの実装については,有機化合物命名法を意識し,教育的な配慮したシステムにする目標に研究をおこなったが、その成果は学内の報告にとどまっている.一方,X^ΥM記法より,結合表を発生させるアルゴリズムを考案し,市販のコンピュータ化学システムと連携する方法を研究した(伊藤,藤田,日本コンピュータ化学会2003秋季年会).学会論文誌の投稿支援システムについては,L^AT_EX用やbibTeX用のスタイルファイルを整備し,ホームページ上で公開した(http://imt.chem.kit.ac.jp/fujita/fujitas/fujita.html).X^ΥM記法に関するこれまでの成果をまとめて,日本コンピュータ化学会2003年秋季大会(予稿集IO03),26回情報化学討論会(予稿集J12,キーノート講演),情報処理学会シンポジウム(資料集を次ページに引用)などで報告した.立体化学の表現について,とくにstereogenicityに関して,理論的な研究をおこない,2003日本化学会西日本大会(予稿集1A01)で発表したほか,2報の原著論文として報告した(引用文献参照). 当初,日本語の文書の中にX^ΥM記法による構造式を組み込むための検討を予定していたが,さらに構想をひろげて,化学文書のデジタルアーカイブとして構想しなおしている.まず,化学コンテンツとして,「舎密開宗」を取り上げることにし,デジタル化方策の検討を始めた.英文化学文書にX^ΥM記法による構造式を組み込み,印刷をおこなう方法は,今年度の検討によりほぼ完成し,その例証として,"Organic Chemistry of Photography"を執筆した.これは,2004年5月に刊行予定である.
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