研究課題/領域番号 |
14380190
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会システム工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小澤 一雅 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (80194546)
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研究分担者 |
野城 智也 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30239743)
吉田 恒昭 拓殖大学, 国際開発学部, 教授 (20292881)
草柳 俊二 高知工科大学, 社会システム工学科, 教授 (40341284)
岩橋 健定 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (50293999)
堀田 昌英 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50332573)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 委任的契約 / マネジメント技術活用方式 / 公共調達制度 / 責任分担 / 保険制度 |
研究概要 |
本研究は、わが国の公共建設調達における契約システムの再構築を図ることを目的とするものである。本年度は、成果物の完成を約する請負契約とは異なる契約システムとして、委任的契約システムをとりあげ、その代表例としてマネジメント技術活用方式をわが国の公共建設調達に適用するための考え方およびその課題を検討した。 マネジメント技術活用方式は、事業の上流段階から施工段階まで、任意の段階で適用できる極めて汎用性の高い手法である。一方で、わが国の現状の事業執行方式における基本的な考え方は、受発注者間の相互信頼に基づき、所定の工期内に所定の品質のものを造る、ということが最優先される傾向にあったといえる。マネジメント技術活用方式を適用する場合、受発注者間の暖昧な領域を明確にし、受発注者の能力等にも言及する場合があるということを意味する。結果として"うまくいった"事業においても、その過程を明らかにすることにより、問題点が浮き彫りになる場合があることを意味する。 また、本方式の活用に際しては、CMRの責任の範囲、権限、報酬等を契約時に明確にしておくことが極めて重要である。たとえば、比較的容易な事業について、その"量"を対象とする場合と、難易度の高い事業について、その"質"を対象とする場合では、CMRに要求される能力が大きく異なることは当然であり、その報酬もおのずと異なってくる。責任の範囲によっては、保険制度の導入を図る必要がある。さらに、マネジメント技術活用方式は、CMRという個人を評価し活用する仕組みであり、技術者個人を公に評価し、処遇できる貴重な方式である。 わが国固有の受発注者間の相互信頼という考え方はそれ自体は事業の執行において極めて有効である。この考え方の良い部分を上手く本方式に組み込むことが、本方式をより有用なものにすると考えられる。
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