研究概要 |
(1)各顧客がスーパーマーケットなどで商品を買うときに,例えば,スパゲッティを買ったらトマトソースを買うなど,組み合わせて買う傾向のあるものも多い.つまり,1つの買い物かごの中にどんなものが入りやすいかを調べる問題をバスケット問題という.同時にバスケットに入りやすい商品を知ることにより,棚の配置などの戦略を考えることができる.数万の客が数多くの商品を買うので,同時買いされやすい組み合わせを見つけることは容易ではない.この10年ほどの間に効率的なアルゴリズムが開発されてきたが,それらの特質を見ながらより高速なアルゴリズムを開発してきた.これを用いて,スキャンパネルデータなどの大規模データを用いて,バスケット分析をすることが可能になってきた. (2)複数の企業が同一のカテゴリーの商品を販売するとき,一般には価格決めなどにおいて競争的な戦略をとることが多い.米国では,やや高級感のあるカテゴリーにおいては,他社が価格を高めに設定したら,安めのブランドを出すよりもやはり高めに設定する方が期待収益を大きくする場合もあるという報告がなされてきた.そのメカニズムを調べるためのモデルを開発し日用品について検証してみた.シャンプーや通常の粉末洗剤のカテゴリーでは競争的であるが,液体洗剤はやや協調的と云えた.また,この研究において,データが不完全なためいくつかのパラメータについては推測値を用いながら,最小自乗法による推定を試みた. (3)定性的データに関するデータマイニングの方法の1つして,rough setを援用することが考えられる.定性データに基づく分類方法について,効率的なアルゴリズムの開発を進めてきた. これらのアルゴリズム開発や評価のために,ワークステーションを購入した.
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