研究概要 |
次のようなことを行った. 1.プロモーション活動の評価 小売店では,値引きや特別陳列,チラシなどの様々なセールスプロモーションを行っている.ここでは,どのようなプロモーションの仕方が小売店の売り上げを伸ばす効果があるかについて様々な角度から検討した. 2.顧客の購買行動から見た商品および店舗の魅力分析 ある百貨店のカード購買した顧客の購買データを基に,顧客が未購買の商品に対して,どの程度親近性を感じているかを推測し,プロモーションの一助とするためのモデルを提案している.また,ある地域の同系列の百貨店について,ハフモデルを利用してどの店がどのような分野の商品のセールスに強みを発揮しているのかなどの特徴分析をしている. 3.マーケティングモデルの分析に利用する手法の開発と実用性の検証 多数の属性をもつ大規模データのためのSVM(Support Vector Machine)の計算法の開発している.この計算法は先に述べた未購買商品に対する親近性の推測等に利用できる.また,多次元展開法を用いて異なるカテゴリーのブランドの親近性を測る方法を提案したが,追試を行ったところ,関連するブランドを重複して購入している顧客が少ないため,ブランドと顧客の近似性を測ることが難しいと述べ,その適用は慎重を要することを指摘している. ブランドの選好分析には通常コンジョイント分析などが用いられるが,それらを簡便化する手法としてAHPを用いる分析方法を提案している.さらに,バスケット分析のためのアルゴリズムを調べ,新しい方法を提案している.この計算法は高速に実行できるため,百貨店等のデータに対して,ある顧客が数ヶ月の間にどのような商品をあわせて購入するかなどの分析を可能にした.
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