研究概要 |
研究の目的 本研究の目的は,3軸加速度計を用いて歩行時の体幹動揺を3次元的に計測する測定器の試作と,それを高齢者の健康状態の判定手段として用いることの妥当性を評価することである. 歩行時の体幹の上下方向の動揺と運動強度との関係については多くの報告があるが,左右方向の動揺も腹筋や脚筋力の低下あるいは非対称性ならびに平衡感覚の失調等が影響することから健康に関する重要な情報を含んでいる.そこで,歩行時の体幹動揺を3次元的に計測し,この結果と健康状態との関係を明らかにし,試作した測定器を健康状態のスクリーニング手段として用いることの妥当性を評価した. 本年度の研究内容 前年度に試作した歩行能力測定器をベースに下記の作業を行なった. (1)歩行能力測定器の改良と解析ソフトの検証試験 前年度に試作した3軸(3次元)加速度計を内蔵する歩行能力測定器の有用性と,その計測結果を用いて健康状態を適切に表現できる指標に変換するソフトウェアの妥当性を評価し,操作上の不都合や仕様上の不備等を本年度の改造作業に反映させた.改良作業完了後、歩行能力測定器と解析ソフトを組み合わせて,下記の実験と総合評価を実施した. (2)実験結果の評価 前年度の反省を交えて,被験者数や計測時間や回数の増大ならびに計測環境や手順等を変更した後,計測実験を実施し,各被験者の歩行時の体幹動揺を解析して歩行特性を求め,本研究で試作した歩行能力測定器を健康状態のスクリーニング手段として用いることの妥当性や有用性を評価した.
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