研究概要 |
背景 長寿少子化傾向が著しい我が国でも約9割の高齢者は年齢相応に元気に暮らしている元気に暮らすためには視聴覚や知力も大切だが,自力歩行能力は特に重要で健康を象徴するものと位置づけられている. 目的 本研究の目的は,歩行時の体幹動揺を3次元的に計測する歩行能力測定器の試作と,それを健康状態の判定手段として用いることの妥当性を評価することである.歩行時の体幹上下動と運動強度とのリニアな関係については既に多くの報告があるが,左右方向の動揺も腹筋や脚筋力の低下あるいは左右非対称性ならびに平衡感覚の失調等が影響することから健康状態に関する重要な情報を含んでいる.そこで,3軸加速度計を用いて歩行時の体幹動揺を3次元的に計測し,その結果を脚筋力計や重心動揺計の計側結果と対比して解析する. 研究内容 下記作業を通して,健康状態を把握する手段としての歩行能力測定器の妥当性や有用性を評価した. (1)3軸加速度計を内蔵する歩行能力測定器の試作 (2)上記測定器の計測結果から歩行特性を求めるソフトの試作 (3)計測実験の実施 (4)歩行時の体幹動揺と健康状態との関係解析 研究成果 今回試作した歩行能力測定器の有用性は高いが,健康状態を一意に表す指標の決定には至っていない。しかし,安全性や操作性に関する評価は極めて高いので,本測定方式は集団スクリーニングの手段として有望と思われる.
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