研究課題/領域番号 |
14380198
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山田 知充 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (50002100)
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研究分担者 |
斎藤 光義 三井金属資源開発(株)環境事業部, 副部長(研究職)
白岩 孝行 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (90235739)
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キーワード | 氷河湖決壊洪水 / モレーン堰き止め氷河湖 / ヒマラヤ / Landsat / Aster / 氷河湖の変動 / 氷河湖の分布 / 氷河湖台帳 |
研究概要 |
ネパール、ブータン、チベット(中国)、インドなどヒマラヤの氷河を抱える国々では、ヒマラヤ山脈南面と北面の氷河末端に形成された構造的に不安定なモレーンで堰き止められた氷河湖の決壊による洪水(氷河湖決壊洪水)が頻発し、大きな被害をだしている。危険なモレーン堰止氷河湖の分布や規模、拡大速度を知ることは、災害防除の点で基本的且つ緊急の課題である。そこで、氷河湖決壊洪水が頻発しているヒマラヤ山脈の27°20'-28°50'N、85°15'-91°00"Eの範囲について、モレーンで堰き止められた面積0.01km^2以上の氷河湖を、2000、2001,2002年に取得されたLandsat ETM画像から抽出し、氷河湖名(or番号)、位置、氷河湖面積、決壊の有無等を記載した氷河湖台帳を完成させた。当地域には合計539個ものモレーン堰き止め氷河湖があり、総面積122.46km^2することが分かった。対象地域をヒマラヤ山脈主脈で南北に分け、主脈を切って南北に流れているネパール・アルン河とシッキム・カンブク河で東西に区切り、対象地域を6地域に分けて、1976年のLandsat MSS画像と比較することによって、24〜26年間の新規形成氷河湖の個数や面積、1976年に存在していた氷河湖の面積拡大速度とその地域差を明らかにし、地域差は各地域の地形傾斜に起因していることを見いだした。一方、Aster衛星画像を用いて、各種地形情報の抽出や、EDMによる立体画像から、氷河湖の形状やモレーンダムの状態を把握することが可能であることがわかり、今後、氷河湖をモニタリングする上で、極めて有効であることを明らかにした。
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